現在、日本で失明原因の第1位は緑内障、続いて網膜色素変性症、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、脈絡網膜萎縮の順となっています。※1

※1
Morizane. Y. et al. : Jpn J Ophthalmol 63 (1) : 26. 2019

本書では、上記にランクされている「加齢黄斑変性症」に関する研究が2つ紹介されています。1つは食習慣、もう一つは血液中の栄養を調べたものです。

視界が歪んだり、欠けて見える病気(加齢黄斑変性症)は、読書はもちろんのこと、日常生活に大きな支障をきたすことになります。加齢黄斑変性症は65歳以上の場合、回復不能な失明につながる病気でもあります。

研究が示す結論
加齢黄斑変性は、緑葉色野菜を週5回以上食べることにより、発症リスクを食べない人より88%減らせる。「抗酸化物質を含む食べ物、特にカロテノイド類を含むものが、黄斑変性による失明のほとんどを予防してくれる」。

緑葉色野菜の中で、予防効果が高いのは、ほうれん草や小松菜、ナバナ、ターサイ等のアブラナ科に属する野菜のようです。カロテノイド類は、果物や野菜の色素の部分にある抗酸化物質です。

「キャベツ類」と「サプリメントでは、有益な効果はなかった」とあります。

加齢黄斑変性症の予防のためには、毎日、色とりどりの果物や野菜を食べ、カロテノイド類を摂取することが良いようです。

また、最近はデジタル機器の使用頻度向上により、目を酷使する機会が多くなってきています。活性酸素やフリーラジカルによるダメージを抑制するためにも、毎日の食事に気をつけていきたいと思います。

参考文献
T・コリン・キャンベル、トーマス・M・キャンベル『チャイナ・スタディー:葬られた「第二のマクガバン報告」(合本版)』松田麻美子訳、グスコー出版、2016年、 812頁