渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ:筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち 』文春文庫、文藝春秋、2013年、558頁
筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんと、彼を支える学生や主婦たちボランティアの日常を描いたノンフィクション。
ボランティアの総勢は、500名以上だったようです。
「病院で、ただ生きているだけなんて、意味がない。」「自由に生きたい!」という強い思いを実行するためには、24時間365日、身の周りの介助をする人が必要な状態の主人公。
自分一人でできないことは、周りの人の助けを得る。
人の協力を得ることは簡単なようだが、一番難しいことのようにも思えます。
ましてや、24時間365日。
自分の思いに素直に生きること。
亡くなる42歳の最後まで自分の夢を追い続ける姿に勇気と感動がもらえました。
筋ジストロフィーとは骨格筋の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称。筋肉の機能に不可欠なタンパク質の設計図となる遺伝子に変異が生じたためにおきる病気です。
そのため、筋力が低下し身体を動かすことが難しくなったり、呼吸・飲み込み・血液循環等に機能障害が出たりします。
日本の筋ジストロフィーの患者は、5,000人に約1人の割合(推計)。
平成27年7月から、指定難病。
大泉洋主演で映画化もされました。
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