オイゲン・ヘリゲル述 柴田治三郎訳
岩波文庫
ローマの穏健的な帝国主義から、異文化を学ぶことへ…みたいな繋がりが私の中にあって手にとった本。
数年に渡り日本で大学の講師を務め、弓術を学んだオイゲン・ヘリゲルのドイツでの講演を基にした本だそうです。理論的に言葉で考える欧米の人間が、禅の精神について、弓術を通して学んでいく過程が印象的です。
禅の精神が日本の生活に根付いているとオイゲンさんは言いますが、現代ではそんな部分も結構失われてしまっているのではないかと思う。そもそも、私には禅がどういうものなのか、明確な回答はもっていないし、深く考えたことがない。
オイゲンさんの師匠、阿波氏は長年に渡って弓道のあり方について考え抜き、技術よりも精神を重んじ、無我の境地を体得し、弟子に伝えた方。素敵な人だと思います。