この物語の主人公の名前は古狸基夫(フルダヌキモトオ)という。

ある教団の最高幹部で教団ダミー会社の社長も兼任し経済を一手に引き受けていた。

口癖は「実績」でり、部下を「詰める」事と「上の評価を得る」事をを趣味としていた。

家系図から因縁を解き特殊な美術工芸品を高価で売る「心霊商法」をあみだし推進した張本人である。そして「心霊商法」が息詰まると信徒名義で銀行、ノンバンクから借入して実績をだし、上部組織の評価を得るようになっていた。

 

幹部A「古狸社長!警察が本気になって捜査しています・・・どうしますか?」

「心配するな神の摂理をの為の善なる行いだから神が守る」と言いながら心の中では・・・そろそろ潮時か・・・と思っている古狸であった。

 

俺が稼いだ金で教団はでかくなった、世界各国に施設があり、会員がいる、いざとなったら米国にでも行くか。

 

そして古狸は日本での実績を引っさげ、米国の事業を手助けすると言う名目で米国に渡った。

次期総裁と目されていた人物の下で働くことになった。

 

古狸が渡米し、しばらくすると次期総裁と目されていた人物に有らぬ疑いが掛かると、古狸は今度NO3の人物に接触をして再び日本へ戻ることになった。

 

NO3の人物はここ数年、日本を担当していた。

強制改宗に対し撲滅を指示し、教団経済を米国企業のように評価制度を用い改革しようとしていた。

 

古狸は次期総裁を簡単に見限り、NO3が教権力を持った事で「過去の実績を見てください80年代心霊商法で人も増え、経済も潤ったでしょう、私ならまた実績を出すことが出来ます。と売り込んだのです。

 

そして今まで使えていた次期総裁候補の人物に反旗を翻し、NO3の人物と共に追次期総裁候補の人物を落とす側に回ったのでした。

 

日本に戻ってみると古狸が主導していた80年代とは勝手が違い、日本教団は経済的にも、心情的にも疲弊していた。

 

無理な借入で借金地獄になっていたし、過去の心霊商法が社会問題になり、教団=悪というイメージが浸透していた。

 

体制も他国から来た教団責任者によって牛耳られていて、古狸は現場の人間にとっては過去の人であった。

 

それでも信徒で構成されている企業や会社が幾つか残っていて、桜乃宮会という上部団体を作り会長に収まり、昔ながらの叱咤でその権力を鼓舞することが出来た。

 

全国会議では「中心に侍る」「中心は神の代身」を叫び、「心霊商法は悪くない、何といっても一番人材と金が増えたから」と言い切り、反省するそぶりすら見せなかった。

 

働き手の女性を失う事を恐れ、教団内の結婚適齢期を33才としたルールを作ったのも古狸である。

 

信徒で構成されている企業、会社に対し売上向上の施策は精神論(中心性と一体化)しかなく、商品開発や新規販売ルート確保などの現実論とは乖離していた。

 

桜乃宮会が商品流通の総元締めなので下部組織の売上が下降すると、桜乃宮会も利益が薄くなる。

 

有ろうことか「原価を上げる」と打ち出した。

消費が落ち込むときに取ってはならい愚策を会の存続のために末端の会社の苦労などおかましなしの行動です。

 

売上個数が変わらずとも、原価を10%上げれば、10%の利益向上と単純に考えたのでした。現場の会社(販売代理店)が益々疲弊する中、事件がおきます。

 

後ろ盾であったNO3の人物も日本担当から外れ、NO3の席から失脚するという事件です。

すると古狸は即、教祖夫人にすり寄りその位置を確保しようと務めたのでした。

 

そして時は流れ、次期総裁と目された人物は潰れるどころか益々活動を活発化させて行っている事を聞き、かえって教団のほうが縮小化している現実をみて不安を抱いている矢先に奇怪な情報を耳にするのでした。

 

それは古狸がすり寄った教祖夫人と古狸が裏切った次期総裁と目された人物が頻繁に米国で会議を重ねていいるという情報です。

 

古狸はこのままではコウモリ化した自分の位置が危うくなると、事実を確かめようと渡米し、情報収集に躍起になっていたときに神の声を聞きます。

 

「お前はまだ自己保身の為に裏切りを繰り返すのか!成すべきことは過去の自分を社会と教団と信徒の前に懺悔し、必要なら牢獄に入ることだ!!」

 

古狸は雷に打たれた衝撃を受け、その場に平伏すのでした・・・・

 

<終わり>

 

創作です。

その後古狸はどうなったのかは想像にお任せします。

 

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