

新しい手法を紹介します。
この章では、意志を高めるのに、非常に効果的な実用性の高い方法について説明します。
皆さんが望めば、強い意志を育むことができるのです。
自分の意志を利用して、莫大なパワーを引き寄せることができます。
ここでは、意志を強くするエクササイズを紹介します。
訓練すれば、筋トレで筋肉を鍛えるのと同じように、意志も鍛えられます。
皆さんは、当然、意志を鍛えるべきだと気付いているはずです。
同時に、努力が必要だということも認識しておかなければなりません。
意志を鍛える努力をするかどうか、決断できるのは、あなただけです。
他の人を頼ることはできません。
このエクササイズを成功させるには、真剣に取り組み、懸命に練習しなければなりません。
意志の鍛え方を教えることはできますが、うまくいくかどうかは、皆さん次第です。
皆さんがこの手法を身に付け、活用できるかどうかにかかっているのです。
新しい意志鍛錬法を紹介します。何にも邪魔をされない静かな部屋を見つけましょう。
時間を計るための時計と、感じたことを記入するノートを用意します。
どのエクササイズも、日にちと時間をメモしてから始めてください。
エクササイズ1
まず時間を決めましょう。一番、都合の良い時間帯を選んでください。
椅子に座って、ドアノブを10分間見つめます。そして、感じたことを書き留めます。
最初は、奇妙で不自然に思えるでしょう。
10分間も同じ姿勢を保つのは難しいことが分かるはずです。
でも、できるだけ動かないでください。
10分間、何もせずに座っているなんて初めての経験でしょうから、長く感じるかもしれません。
そして、ドアノブから気がそれていることに気付くと思います。
このエクササイズが何の役に立つのかと不思議にも思うでしょう。
それでも、このエクササイズを6日間、繰り返してください。
2日目、夜10時
メモ:昨日よりも静かに座っていることができ、時間が過ぎるのも早く感じるはずです。
自分の意志を昨日よりもコントロールできるようになり、
少し意志が強くなった感じがするでしょう。
皆さんは自分で決めたことをやり通したのですから、気持ちが引き締まるはずです。
3日目、夜10時
メモ:ドアノブに集中するのが少し難しくなったかもしれません。
1日忙しく働いて、今日何をしたかということについ気が行ってしまうでしょうから。
でも、頑張って続ければ、しまいには雑念をすべて払いのけることができます。
すると、もっと意志をコントロールしたいと感じるはずです。
意志を貫くことができれば、力を得た感じがするでしょう。
このエクササイズによって、皆さんは自分が大きくなったように感じるはずです。
そして、気高さと人間らしさが目覚めるのです。皆さんはこう言うでしょう。
「私は、自分のしたいことを実際にすることができるし、雑念を追い払うこともできる。
このエクササイズは役に立つと分かった」
4日目、夜10時
メモ:「私はドアノブを見つめられるようになったし、すぐにドアノブに集中できるようになった。
脚を動かす癖も直った。雑念も入って来なくなった。
指示を受けなくても、自分がやりたいことを実行できると証明したからだ。
精神的な強さを身に付けつつあると感じる。
自らの意志をコントロールすることの意味がやっと理解できた。
決心すれば、自分は決めたことをやり通せるということが、今なら分かる。
自信が増し、自制心が高まっているのを実感する」
5日目、夜10時
メモ:「私のスピリチュアルな集中力は、日ごとに高まっているようだ。どんなものにでも集中できると感じる」
6日目、夜10時
メモ:「すぐにドアノブに全神経を集中することができる。このエクササイズは完璧にマスターしたので、次のエクササイズに取り掛かろうと思う」
このエクササイズはもう十分ですが、次のエクササイズを始める前に、
行ってほしいことがあります。
はやる気持ちや衝動を、いかにうまくコントロールできたか、簡単に書き留めてください。
これが素晴らしい訓練になると、後で分かります。
素晴らしく精巧な、自らの精神活動を注意深く見守ることほど、
精神にとって有意義なことはありません。
エクササイズ2
トランプをひと組手に入れてください。そして、このエクササイズをする時間を決めます。
毎日、同じ時間に、ひと組のトランプを片手に取り、1枚ずつ重ねて置いていきます。
できるだけゆっくりと、同じペースで行いましょう。
ペースを乱さぬよう心がけてください。
置いたカードがきっちりとそろっているようにします。
このエクササイズを6日間行ってください。
1日目
メモ:単調でつまらない作業に思えるでしょう。
1枚1枚のカードをきっちり重ねるには、徹底したスピリチュアルな集中力が必要です。
多分皆さんはカードをもっとスピーディーにカードを置きたいと感じるはずです。
これほどゆっくりとカードを置くには忍耐がいります。
ですが、ゆっくり置かないと、効果が得られないのです。
最初は、動作がぎこちなく、衝動的に行動してしまうでしょう。
手と腕を思い通りに動かせるようになるまで、少し練習が必要です。
きっと、こんなに静かに何かを行ったことはないでしょう。
精神を徹底的に集中させる必要があります。
やがて、今までにない落ち着きを手にするはずです。
皆さんは、徐々に新しい力を身に付けつつあります。
今まで自分がどれほど衝動的でせっかちだったか認識してください。
そして、どのようにすれば、意志を使って自分の気性をコントロールできるか、
気付きましょう。
2日目
メモ:ゆっくりとトランプを置いていってください。
練習すれば、カードをもっとスピーディーに重ねることができるでしょう。
ですが、今日のところは、時間をかけて慎重にやりたいところです。
そこで、自分を観察する必要があります。
ゆっくりと同じ動作を繰り返すのは退屈なものです。
もっと速く行動したいという気持ちを抑えなければなりません。
すぐに、速くしたり遅くしたり、自由自在にできるようになるでしょう。
3日目
メモ:まだ、ゆっくりやるのは難しいと思います。
皆さんの意志は、速く行うようにと、せき立てるでしょう。
衝動的な人の場合は特にそうです。
衝動的な人にとって、ゆっくり慎重に何かをするというのはとても難しいものです。
“気性”に合わないのです。このエクササイズは、まだ退屈に思えるでしょう。
ですが、これをすることで、精神的に強くなります。
皆さんは、やりたくないことをやり遂げつつあります。
このエクササイズは、嫌な作業に集中する方法を教えてくれます。
これらのメモを書き留めてください。とても役に立つはずです。
4日目
メモ:カードを正確に置けるようになってきました。
ですが、完全に重なっていないカードが1枚ありました。
少し不注意になってきているので、もっと慎重にならなければいけません。
私は、自分の意志に、もっと集中するよう命じます。
意志をコントロールするのは、そんなに難しくなさそうです。
5日目
メモ:動きにぎこちなさがなくなり、ゆっくり確実にカードを置けるようになりました。
みるみるうちに落ち着きを身に付けていると感じます。
日ごとに意志をうまくコントロールできるようになっていますし、意志の力で自分の動作を完璧にコントロールしています。
自分の意志は大きな力を持っていると考え始めています。
これまで身に付けてきた、意志についての知識を手放そうなどとは思いません。
これは良いエクササイズだし、意志があれば仕事を成し遂げられます。
6日目
メモ:意志の素晴らしい可能性を感じ始めています。
意志の力について考える強さを、このエクササイズが与えてくれました。
以前よりも多くの仕事をうまくこなせるようになりました。
自分で意志の働きをコントロールできることも分かりました。
私は、どんな仕事にも、意志を集中させることができます。
私は、仕事が終わるまで意志の集中を切らさないようにします。
自分がやろうとすることを、厳密にはっきりと決めると、意志はたやすくそれを実行します。
決断によって、意志に強制力が加わります。
決断すれば、意志はいっそう強力なものになります。
意志と結果の間には、相互作用があり、互いに影響を受けているのです。
7日目
メモ:今日は、あらゆることをスピードアップしてやってみましょう。
でも、慌てたり緊張したりしてはいけません。
あらゆることを今までよりも速く、そして、確実に行ってください。
ゆっくり練習してきたエクササイズによって、精神が落ち着いてきたことが分かると思います。
その結果、スピードを上げられるようになったのです。
皆さんは思いのままに意志を操れます。
決めたことを迅速に実行しましょう。
このようにして、克己心と自制心を築くのです。
それから、ようやく、皆さんの肉体が意志に従って動くようになるのです。
皆さんは、エクササイズで感じたことを毎日書き出すと、
とても役に立つのが分かっているはずです。
もちろん、皆さんが体験することは、ここで挙げた例と全く同じではないかもしれませんが、
当てはまるものもあるでしょう。
自分の体験を注意深く調べて、できるだけ正確に観察して記録しましょう。
自分が感じた通りの気持ちを書き留めるのです。
想像に色付けして書き残しても、役には立ちません。
皆さんは、自分の目に映る状況を心の中に描いてきました。
数カ月後に同じエクササイズをもう一度やれば、
皆さんはいっそう正確に観察できるようになるでしょう。
こうして自分を観察することで、自分のことがよく分かるようになります。
自分のことがよく分かるようになれば、劇的に効率が良くなります。
観察するのに慣れてくれば、より正確に記録できるでしょう。
このようにして、自分の衝動や行動、弱さを克服する方法を学んでください。
各自、自分に最適のエクササイズプランを立てましょう。
毎日エクササイズをするのが難しければ、週2~3回にしましょう。
ですが、自分でやると決めたら、どんなプランであれ、実行してください。
1日10分が無理なら、まず試しに5分から始めて、徐々に時間を延ばしていけばよいのです。
紹介したエクササイズは、あくまで例ですから。
エクササイズなしの意思鍛錬法を紹介します。
エクササイズに時間を割きたくないという人はたくさんいます。
次に紹介するのは、そんな人向けの意思鍛錬法です。
何かを決意したり、悟ったりすることで、意志は成長します。
ですから、皆さんが決意をすればするほど意志は成長し、力を増します。
意志を強くするため、仕事は、大小に関係なく、必ずやり遂げるようにしてください。
達成できるように全力で集中する習慣を身に付けるのです。
そうやって、物事を成し遂げたり計画を実行したりする習慣を付けましょう。
目の前にあるものが何であれ、やり遂げるという感覚を自分のものにしましょう。
そうすれば、自信が生まれ、力が湧いてきます。他の方法だとこうはいきません。
皆さんは、決断すれば、それを貫けるということを知っています。
中途半端な気持ちではなく、大胆かつ勇敢に新しい仕事に取り組みましょう。
意志の力があれば、大きな障害を乗り越えられます。絶望感にとらわれることもありません。
私たちには意志があります。そして、意志を活用しようとしています。
意志は私たちに力を与え、私たちの決断をより強固なものに、私たちの行動をより自由に、
そして私たちの人生をより素晴らしいものにしてくれます。
意志を育もうと思ったら、成り行き任せにしていてはいけません。
意志を強くするのに必要なのは、いくつかの決まった作業だけです。
すぐに実行し、粘り強く最後までやり通す意志を持つには、独学と自己鍛錬あるのみです。
努力、時間、忍耐を要しますが、大きな見返りがあります。
意志を鍛えるのに早道はありません。
しかし、意志を鍛えると、皆さんは驚くべき効果に恵まれます。
自制心とパワー、それに個性というエネルギーが手に入るのです。
皆さんを成功へ導く、スピリチュアルな意志の集中法を紹介します。
ビジネス環境への適応能力には、何よりも決断が重要です。
今の時代、私たちは、適性についての話をしょっちゅう耳にします。
一部の適性や能力は、とても良く発達しているかもしれません。
でも、潜在力が最大化するまでは、その人の本当の素質は分かりません。
ある分野では失敗するかもしれませんが、別の分野では大成功するかもしれません。
最初に取り組んだことで失敗しても、その後成功している人は多くいます。
でも、彼らは、様々な努力をしたおかげで報われ、より良いものにめぐり合ったのです。
反対に、彼らが環境に適応しなかったら、進歩の流れから取り残されていたでしょう。
私の仕事での目標は、個人の努力と決断を促して、能力を最大限に伸ばし、
可能性を限界まで高めてもらうことです。
最初に知っておいてほしいのは、重要なのは能力よりもむしろ意志だということです。
能力には様々なものがありますが、構想をまとめる力や創造的な力は希少です。
従業員を雇うのは簡単ですが、従業員を教育してくれる人はなかなか見つかりません。
従業員の能力は、適性のある仕事に向けられるべきです。
それに、従業員には、効率の良い仕事の方法や、
同僚と協力して働くことを教えなければなりません。
たいていの企業では、強烈な個性の持ち主が問題を生み出しています。
内なる原動力に集中しましょう。
私たちは皆、自分の中のどこかに活発な原動力があって、より良い行いができるよう、
いつも背中を押してくれることに、気付くことがあります。
この“力”が、時として何か価値あることをやろうと思わせてくれるのです。
思考や感情ではないし、気持ちでもありません。
この原動力は、思考や感情とはどこか違います。
原動力とは魂の特質で、独自の意識を持っています。
原動力とは、意志の“私はやるぞ”という部分です。
そして、意志を集中させる力です。多くの人は、この力が自分の中で動き、
仕事をやり遂げる活力となっているのを感じたことがあるでしょう。
偉人たちは皆、決意を実行に移す際に、
この強力な究極の力が味方になってくれることに気付いています。
この原動力は、すべての人の中にあります。
ですが、皆さんがある段階に達しないと、原動力の存在に気付くことはありません。
立派な人にとっては非常に役立ちます。
訓練などしなくても、自然に現れます。
わけもなく現れ、知らないうちに消えるのです。
この力が一体何なのか、私たちには分かりません。
でも、調和のとれた正しい行動をする時に、
原動力は意志を強くしてくれるということは分かります。
普通の人は、仮に奴隷として単なる商品のように売られるとしたら、
1万ドルくらいの価値で取り引きされるでしょう。
誰かが5000ドルの車をくれたら、皆さんはその車を大切にすると思います。
エンジン内のキャブレタに砂を入れたり、ガソリンに水を混ぜたり、
でこぼこ道を手荒に運転したり、夜間に屋外に置きっぱなしにして凍結させるようなことはしないはずです。
皆さんは、本当に自分の体を大切にし、唯一の財産とも言える健康に気を付けていますか?
5000ドルの車をもらって、大切にするように、自分の体や健康にも気を配っていますか?
ガソリンに水を混ぜるような人は愚かですが、自分の血にウイスキーを混ぜる人は、もっと愚かです。
車は買い替えられますが、自分の体は取り替えることができないのです。
睡眠時間が取れないという人は、生活が不規則になっています。
大急ぎで食事をするため、血液がきちんと循環しないのです。
自分自身をそんな風に扱うなんて愚かです。
価値ある財産ならそんな風に扱ったりしないはずです。
自分より賢い人たちと話をするよう心がけていますか?
その際には、自分の知識を語るより、彼らの話に耳を傾けるようにしていますか?
10年1日のごとく過ごしている50才、60才の人は山ほどいます。
そういう人たちでも、今は無駄にしている内なるエネルギーを爆発させるきっかけさえ見つけられれば、マンネリから抜け出して、成功者の仲間入りができるのです。
人は誰でも学び、自分の問題を解決しなければなりません。

