

習慣は、私たちが思っている以上に、大きな影響力を持っています。
習慣は手ごわい敵にもなりますが、精神を統一するのに、心強い味方にもなります。
精神の集中を妨げるような習慣を断つには、どうすればよいでしょうか。
悪習慣を断つ方法を学びましょう。
そして、精神統一を促進するような習慣を身に付けるのです。
たいていの人は習慣に支配されています。
大海原で小さな木片が波にもまれるように、私たちは習慣に翻弄されています。
習慣の影響で、私たちは特定の方法で生活しています。
なぜそんな方法で物事を行うのか、その理由をじっくり考えることなど、めったにありません。
もっとよい方法があったのではと振り返ることも、あまりないでしょう。
今回のブログを通じて、自分の習慣に目を向けてもらえればと思います。
そして自分の習慣の良し悪しを判断してください。
ちょっと行動を変えれば、悪習慣だって、有益な習慣になります。
良い習慣は、さらに価値ある習慣になるのです。
まず自覚していただきたいのは、習慣はすべて意志に支配されているということです。
意識しているにせよ、無意識にせよ、意志が習慣をコントロールしているのです。
ほとんどの人はいつも次々に新しい習慣を身に付けています。
多くの場合、あることを同じ方法で何度か繰り返せば、それが習慣になります。
でも、頻繁に繰り返すと、習慣が強化され、私たちの本質にまで深く浸透していきます。
長い間、同じ習慣を続けていると、習慣がほとんど自分の一部になるので、
変えるのが難しくなります。
とはいえ、強い精神集中力を使えば、どんな習慣も断ち切れるはずです。
精神集中力は、習慣とは真逆のものです。
“私たちの人生は、具体的な形のある限り、現実的、感情的、知的な習慣の集合にすぎない。
いろいろな習慣が体系的に整理され、まとめられたのが人生だ。
人生には喜びも悲しみもある。
どんな苦難が待ち受けようと、私たちは運命に直面させられるのだ”
人は習慣に従って行動します。“過去の自分を模倣し、まねる”のです。
私たちは“折れた”り、“曲がった”りしがちです。1枚の紙を折るのと同じです。
折るたびに折り目が付き、折り目が付いた場所は、次は折れやすくなります。
“知性と意志は精神の持つ機能だ。それでも、知性と意志は物質に影響される。
知性と意志が動くと、脳内も反応する。つまり物質的な相関関係にあるのだ”。
こうして、考え方や意志の癖ができあがるのです。
意志と知性を働かせると、実際の効果が生まれます。
私たちの神経組織は、これまでの作用によって、現在の形になったのです。
たいていの人は、大人になるにつれて、どんどん自動式の機械のようになります。
身に付けた習慣が強化されていくのです。
私たちは、昔から自分がやってきた方法で仕事をします。
同僚たちは、あなたが特定の方法で仕事するのを期待するようになります。
つまり、習慣によって人生が大きく変わるのです。
そして、良い習慣を身に付けるのは、悪い習慣を身に付けるのと同じくらい簡単です。
それなら良い習慣だけを身に付けるべきです。
皆さんの習慣は、皆さん自身に責任があるのです。
良い習慣を身に付けるのも、皆さんの自由です。
誰もが正しい習慣を身に付けることの重要性を認識できたなら、
世界はどれほど変わるでしょうか。
皆が幸せになれるはずです。
そうすれば、一握りの人ではなく、すべての人が成功を収められるでしょう。
若い時の方が、習慣は早く身に付きます。
ですが、もう若くなく、感受性も強くないという人も、
今こそ習慣のコントロールを始める時です。
これからも年を重ねていくので、今より若くなることはありませんから。
人はなぜ習慣に従って行動するのでしょう。
習慣は、しばしば労力を節約するための発明と呼ばれます。
習慣を身に付けると、精神力がほとんど要らなくなります。
高い生産力も必要なくなるのです。
習慣が深く根付けば根付くほど、自動的に行動するようになります。
つまり、習慣には、私たちの本質を節約する性質があるのです。
習慣がなかったら、私たちはもっと注意深くしていなければなりません。
混み合った通りを渡るとしましょう。
立ち止まって周囲を見る習慣があるから、ケガをせずに済むのです。
正しい習慣を身に付ければ、ミスや事故を防げます。有名なのが車の運転手の例です。
トレーニングを通じて体で運転を覚えることで、車を安全に操れるようになります。
危険な状況でも、どうすれば良いのか、とっさに判断できるのです。
判断のスピードが安全を左右する場面では、運転者は反射的に反応する必要があります。
習慣を身に付けるということは、疲れにくくなり、リスクが減るということです。
一方で、作業の精度が上がります。
“くだらない習慣の奴隷にはなりたくないだろう。
例えば、ワグナーは、特定の衣装を身に付けなければ、オペラを作曲できなかった。
シラーは、腐ったリンゴを引き出しに入れて、
時々それを嗅がないと作品がうまく書けなかった。
腐ったリンゴのにおいが、彼には甘い香りに思えたのだ。
グラッドストンは、作業によって机を使い分けていた。
ホメロスについて研究する時には、ふだんの仕事机には座らなかった。
仕事机は、法律の書類であふれかえっていたからだ”
望ましくない習慣を断つためには、2つのことが必要です。
まずは、意志を強く持つようにして、
自分の思い通りに行動できるようにしなければなりません。
意志が強くなればなるほど、習慣を断ちやすくなります。
次に、悪い習慣とは逆の行動を取ると決意しましょう。
そうすれば、新しい習慣が悪習慣に取って代わります。
強い意志を持っている人は、悪い習慣をなくすことに、粘り強く集中できます。
きっと、短期間のうちに、良い習慣の方が大きな影響力を持つようになるはずです。
オッペンハイマー博士による、習慣を断ち切るための教えを紹介して、
今回のブログを締めくくりたいと思います。
“ある習慣を断ち、これまでの習慣によって生まれた問題を一掃したいという人は、
本気で問題に取り組まなければならない。
実在の敵に向かうのと同じくらい、真剣に臨むべきだ。
強い決意と粘り強さが不可欠だろう。執念深いと言われるような、成功への情熱も必要だ。
人間の敵で、これほど油断ならない相手はいない。
悪習慣ほど手ごわく、しつこい敵はいないだろう。
悪習慣と言うのは、決して眠ることなく、休息も必要としない敵なのだ”
“習慣は、宿主が成長するにつれて大きくなる寄生虫のようなものだ。
だから、寄生虫と同様に、力づくで引き離し、こっぱみじんにして殺すのが一番かもしれない”

