初めての競馬は楽しかった
――昨日からの続きです。
私が初めて競馬場へ行ったのは、そして、初めて馬券を購入したのは、23歳の秋のことでした。1995年です。地下鉄サリン事件があった年ですね。
当時は超就職氷河期だったので、出版関係の仕事を志望していた私はアルバイトとして都内の出版社で働いていました。
学生時代は地元(神奈川県)のファーストフード店でアルバイトをしていて、その時のバイト仲間とは就職してからも交流があり、よく集まっては居酒屋で飲んだり、カラオケに行ったり、また、泊りがけで旅行したりもしていました。
(※伊豆へ卒業旅行に行ったのですが、旅館で一泊して、朝になってテレビを点けると、山梨県上九一色村のオウム真理教の“サティアン”に警察が強制捜査に入った映像がライブで流れていたのを覚えています)
1995年3月22日、山梨県上九一色村のオウム真理教の居住施設“サティアン”に警察の強制捜査が入った
たしか10月のことだったと思いますが、バイト仲間の一人であるハマダ(♂)が、
「みんなで競馬場に行こう」
と言いました。ハマダ自身は何度か競馬場に足を運び、競馬を楽しんだ経験があるということでした。ハマダ以外のメンバーは、まだ競馬は未経験でした。もちろん、私も……。
みんなのスケジュールを調整して、結局4人のメンバーで東京競馬場へ出掛けることになりました。私とハマダ、あとは、モリシタ(♂)とユカ(♀)。
ハマダの車(ルノーでした)に同乗して、いざ府中本町へ。
私は知らなかったのですが、競馬開催日には競馬場の近くの住民が自分の家の庭などの空き土地を開放して、1日千円で車を停めさせるんですね。ハマダも慣れた様子である民家の広めの庭(単なる空き地に見えましたが……)に車を停めて、土地の所有者のおっちゃんに千円渡していました。
で、競馬場に入場して、さっそく馬券を購入。
よく分からないので「競馬エイト」を眺めながら、印の多い馬を中心に4頭を選んで馬連ボックスを3,000円分購入。
初めて買った馬券は……、ハズレ。
次のレースも同じように4頭の馬連ボックスを3,000円分。それがなんと、的中してしまいました。しかも、本命馬が馬券圏外になっての馬連的中だったので、払い戻しは1万8千円を超えました。36倍超の中穴がきたということですね。
それで調子に乗った私は、次のレースで複勝馬券を2万円分購入。それもまた的中。
最後のレースはハズしてお金を少し減らしてしまいましたが、初めての競馬は大幅なプラス収支で終えました。
あの時は……、楽しかった!
帰りの車の中でも、高揚した状態でおしゃべりしていた記憶があります。でも、結果的にあの時に勝っていなければ、今のこんな状態にはなっていなかったのではないか……とも考えてしまいます。
次回「友達を巻き込んでしまう」に続きます。
〈続く〉