意外と奥が深い地方競馬

 

わたしは競馬ファンです。

というより、重度のギャンブル依存症患者で、もうちゃんと勘定したくないほど馬券でお金を失っています。

 

競馬評論家の故・大川慶次郎さんは、

「ぼくは馬券で1億円負けてますから」

と、ユーモアをまじえてよく話しておられましたが、わたしも新車のプリウスが2~3台買える程度には負けています。なんの自慢にもならないですけど。

 

10年ほど前から営業の仕事をしているので、平日が会社のお休みとなります。

競馬に詳しい方ならご存知かもしれませんが、中央競馬は土日(たまに祝日の月曜日も)開催で、平日はいわゆる地方競馬の開催日となります。

 

だから、現在のわたしが賭けるのは、もっぱら地方競馬です。

※「中央」と「地方」は主催者の違いによって区別されているのですが、話がややこしくなるので、ここでは説明を省きます。

 

地方競馬の特徴をひと言で申し上げますと、“的中しやすいけど儲かりにくい”という一点に尽きると思います。

中央に比べて出走頭数が少ないので、当然馬券は的中しやすいです。特に先行力のある馬が勝ちやすいので(もちろん例外はありますが)、そうした馬を狙えば尚更当てやすくなります。

 

ただ、参加するプレーヤーが少ないので、非常にオッズが偏ります。中央競馬に勤しんでいた時、わたしは「複勝(※対象の馬が3着以内で入線すれば的中となる、馬券の中で最も当てやすい券種)」で収支をプラスにするのが得意だったのですが、地方競馬ではなかなか難しいです。

 

これは! という馬を見つけて(例えば逃げ・先行馬がそろった時の人気薄の追い込み馬。展開がハマって好走する可能性が高い!)複勝に投票しても、同じようなことを考えている人が多いので、馬券の締め切りが近づくとともにどんどんオッズが下がり、最終的にはあまり美味しい馬券ではなくなることが多いです。

 

名古屋競馬なんて、購入時には「2.0倍~」あったオッズが、締め切り時には「1.3倍~」になっていたりします。ちょっと下がりすぎです。これじゃ当たっても儲からんって。

 

以上のことを踏まえて、これから地方競馬デビューをしたいと考えている方のために、南関東以外の各地方競馬場(←おそらく馴染みが薄いと思うので)の特徴と、馬券を購入する上でのポイントを書いてみたいと思います。わたしのようにドーパミンの誘惑に負けて継続的に馬券を購入してしまうと収支をプラスにするのは難しいですが、ピンポイントで投票する分には結構的中しやすいので、あくまでも少額を遊びで買ってみるのは楽しいです。

 

「馬券は20歳になってから ほどよく楽しむ大人の遊び」

 
なので。
でも、ほどよくっていったいどのくらいが「ほどよく」なんでしょう? 謎です。
 
 
(※以下の解説はあくまでもわたしの私見によるものです。ご意見、ご批判、誹謗、中傷などは一切受け付けておりません。笑)
 
■門別競馬
馬産地・北海道で開催される競馬。日本で一番早く2歳馬の競走が始まることでも知られる。馬券には生産牧場や育成牧場などをはじめとした馬産事業の関係者も多く参加しているせいか、特定の人気馬にオッズが偏る傾向が強い(何か情報でもあるのか!?)。そして、その偏ったオッズに流されて馬券を購入する一般のプレーヤーが多いので、尚更人気が歪(いびつ)になるという循環が生まれる。個人的にはあまり馬券を買いたくない競馬場。本命馬が飛んで穴が出ることもあるが、その荒れ方がめちゃくちゃだったりしてとても予想できないから。ただし、2歳馬のレベルが高いので、門別で走っていた馬が他地区に移籍したら必ず狙う。
 
■園田競馬・姫路競馬
どちらも兵庫県競馬組合が主催する競馬。個人的には地方競馬の中で「いちばんアツい」と思っている。それはどのレースでも騎手が「勝つ!」という意欲が前面に出た騎乗を見せてくれるから。逃げも、差しも、追い込みも、目一杯馬を追ってくれる。特にリーディングの吉村騎手なんて、馬が壊れるんじゃないかってくらい熱く追う(昔の中央の豪腕・郷原騎手も乗った馬が壊れるって言われていたそうですね。それに似ているかも。もちろん、リアルタイムでは知りませんが)。どちらの競馬場も開催によって、内を通った先行馬が残りまくる時と、外を回した差し馬が届きまくる時がはっきりしているので、馬場の傾向さえしっかりつかめばかなり儲けることができる。
 
■名古屋競馬
昨年4月に港区から弥富市へと移転した愛知県の競馬場。新しい競馬場に移るにあたっては、「最期の直線が長くなり、スパイラルカーブが採用されることから、ゴール前で差しが届くようになる」と言われていたが、レース結果はやはりその日の馬場傾向に大きく左右される。先行馬がまるっと残る日もあるので注意が必要。また、馬場の内の砂の深さを変える頻度が高いのか、最終コーナーで馬群の内を突いた馬ばかり勝つ日もあるので、見極めが重要となる。あと、たまに「無気力騎乗」がある。今○騎手など、全然追わないで馬群に飲まれて、レースの終わる間際にまた追い始める……という謎の騎乗をたびたび見せる(もちろん審議の対象にもならない。とにかく腹が立つ)。手を抜くことが許されない特別戦や重賞だけに絞って買うという戦略もあり。
 
■笠松競馬
騎手・調教師による不正行為の問題とセクハラ騒動で世間を大いに騒がせた競馬場。再開後はなかなか熱いレースが繰り広げられていると感じるが、いかんせん競馬場そのものが小規模なので、4コーナー手前でレースの帰趨が決してしまうことが多いのが興醒め。あと、小回りなので逃げ馬が人気になりやすいが、みんなの仕掛けが早い分、潰れる時には3着にも残れないで沈んでいくことがあるので買うのは怖い。午前中のレースは6~7頭立てという小頭数で行なわれることも多く、ちょっと馬券は買いづらい。堅いと思ったレースに厚く張るという方法もあるが、あまりにもオッズが低い(3連単の的中で3倍の払い戻しとか)と、さすがに手が出せない。
 
■金沢競馬
もっとも馬券に手を出しづらい競馬場。小回りなのは笠松と同じなのだが、全体的な馬のレベルのせいなのかどうなのか、スタートの良し悪しで全てが決まってしまう印象が強い。どんな人気馬もスタートで出負けしたらあっさり負ける(現に3月26日の第1レースでは単勝オッズ1.0倍の馬が、逃げることができずに2着に負けていた)。向こう正面も含めて直線部分がほとんどない円形に近い形状の競馬場なので、後ろの馬が追い上げることが難しいのだ。たまに先行馬が止まって追い込みが決まるが、それを予想して馬券を買うのはなかなかの度胸が要る。不正騎乗の噂も絶えないが立証することはできていない。個人的には“見”(ケン)が正解だと感じている。
 
■佐賀競馬
今の佐賀競馬で儲ける方法はひとつだけ。「山口勲騎手をはずして買う」。これだけ。山口騎手は2006年から2020年まで佐賀競馬でリーディングを獲ったジョッキーですが、今年で53歳。さすがに勝ち切ることが少なくなってきた。ただ、いまだに山口騎手が乗るだけでその馬が人気になる傾向が強いので、“山口はずし”もしくは“山口騎手の2着・3着付け”で良い馬券が取れることが多い。個人的には“山口騎手の騎乗馬以外の馬の単勝買い”で、かなり良い思いをさせていただいている。地方競馬を始めたのが最近で、山口騎手の全盛期を知らないことが、かえって好結果を生んでいるのかもしれない。
 
■高知競馬
園田・姫路に次いで“アツい”と感じている競馬場。馬のレベルは決して高くないが、騎手の「勝つ!」という気持ちが騎乗ぶりからひしひしと伝わってきて、非常に好感が持てる。リーディングは赤岡修次騎手で、当然騎乗馬が人気になる傾向が強いが、その赤岡騎手の馬を負かそうとする隻眼の宮川騎手・社台っぽい勝負服の倉兼騎手・赤い勝負服の永森騎手などの騎乗っぷりがとても良い。他にも、佐原騎手、畑中騎手、妹尾騎手など、勝利を期待できる騎手が多い。もちろん負けることも多いが、馬券を買っているこちらが納得できる負け方をしてくれる。ただ、名物のファイナルレースはいけない。当たらないよ、あんなもん
 
■盛岡競馬・水沢競馬
ともに岩手県競馬組合が主催する競馬場。盛岡には地方競馬場では唯一の芝コースが備えられている……と、わたしが語れるのはそれくらい。この2つの競馬場は傾向が掴みにくく、以前から苦手。基本的には手を出さないことに決めている。なぜか自分の予想通りにレースが展開しないことが多い……って、単に相性が悪いのか⁉ 山本騎手、髙松騎手など特定の騎手ばかりが勝つ印象が強いので、買う時には素直に人気馬の単勝を買うことにしている。それくらいしか言えないくらい、馬券で良い思いをしたことが極端に少ない競馬場。
 
 
ここ数日馬券に手を出していないせいで、自分の中の競馬熱が高まったのせ書かせていただきました。次回からはまたWワークについてのブログに戻ります。
 
読んでいただき、ありがとうございました。