今年のプロ野球も前半戦を終了した。
簡単にここまでを振り返ると、まずパ・リーグは前年リーグ優勝のソフトバンクと捲土重来を狙う日本ハムが同率で首位に並んでおり、どちらのチームも戦力が充実しているため予想をつけ難く、どうやらパ・リーグは最後までこの2チームの優勝争いとなることだろう。
片やセ・リーグは独走ヤクルトに昨年の覇者中日がどこまで食らいついていけるかというところだろうか。
少しずつ調子を取り戻してきた阪神に比べ、巨人は主軸の小笠原の不調やラミレスのケガなど、浮上のきっかけを掴めそうにない。残念ながら今年も優勝は無理であろう。


さて、ここで今年ブレイクの注目選手、パ・リーグの首位に並ぶ日本ハムの4番を務める中田翔選手について書いてみたい。
彼も早くもプロ入り4年目、今年はここまでリーグ2位タイの打点を挙げるなど、やっと本来の資質を見せつつある活躍をしている。
私が彼の存在を知ったのは勿論注目され始めた大阪桐蔭高校時代であるが、その時はパワーはあるが荒削りで果たしてプロで通用するものなのか疑問を感じていた。
しかし、プロ入り1年目の阪神とのオープン戦で目を見張るようなホームランを見てからは、彼の桁外れのパワーを実感し、その素質の非凡さを認識できた。
明らかにパワーの面においてものが違うのだ。
当時もまだ荒削りではあったが、その時から、彼には是非和製ホームランアーティストになってもらいたいと感じた。
その後怪我もあり、なかなかプロのレベルについていけず四苦八苦したようだが、ようやく昨年後半から頭角を表し始め、現在に至っている。
今のところ打点以外は、打率2割7分、9本塁打と数字的にはまだまだ物足りない気もするが、打率はともかく、本塁打は広い札幌ドームということと今年からプロ野球界ではいわゆる飛ばないボールを使っているということもあるので少し大目に見てもいいかもしれない。
今年の彼を見ていて凄いのは、まず対戦相手のエース級の投手を打ち崩す勝負強さ。そしてホームランもさることながら、たとえ凡フライでも何度か札幌ドームの天井に当たる飛球を打ち上げて見せてくれること。日本人ではなかなか天井にまでぶち当てる打者はいないのだが、そんなところにも彼の飛び抜けたパワーを感じさせる。
そんな彼には是非将来、毎年40本ホームランを打つくらいの打者になってほしい。
そのためには打率は2割5分程度でいいし、三振も100個を超えてもいいと思う。彼のフルスイングした空振りも絵になるというものだ。
とにかく3割打者を目指すなんて小さくまとまらずに、豪快で魅せることのできる選手になってもらいたいものだ。
首脳陣にも細かいことを言わず、彼を大きく育ててもらうよう期待したい。
どうやら同僚のダルビッシュ投手は来年からメジャーへ移籍することになるだろう。
中田選手には、彼に代わる北海道のスター選手へ飛躍することを望んでいる。
プロ野球界に楽しな選手の一人が出てきたものだ。
今後も彼の打席から目が離せそうにない。