【東日本大震災】ヤマトHD、宅急便1個につき被災地に10円寄付

物流大手のヤマトホールディングス(HD)は7日、東日本大震災の被災地向けに、2011年度中は宅急便1個につき10円を寄付すると発表した。10年度の宅配便数(見込み)で換算すると約130億円、同社の営業利益の2割に相当するという。

ヤマトHDは今や運送の分野では日本郵政に次ぐほどの流通経路を持っているので、今回の震災の後でも素早く東北への宅配も開始したし、日本郵政が将来完全民営化された後、もし、日航のように破たんでもしようものなら、すぐにそれにとって代わるほどの存在であると思う。
民間でここまでにさせるのは凄いことだ。地道な企業戦略が功を奏していると思う。
この度の上に書いたような寄付で更に企業イメージがアップとなることだろう。
第一、物流業者にとっては、どの業界よりも早く道路などインフラ復旧が待ち望まれるものだ。
それがなければ宅配も何もあったものではないからだ。
また、商店や特産物産業などが再興されなければ、それらを全国へ宅配することができず、自社の売り上げにも大きく影響する。
加えて、何よりも痛いのは、東北沿岸部の多くの民家が津波で流されてしまったことだ。
宅配業者にとって、家庭への個別配達は、住人がいる民家(アパート、マンション等も含む)があってこそ成り立つものである。
その絶対的戸数が減少するということは最も避けたいところであると思う。
よって、今回の宅急便一個につきの寄付金は、表立っては被災者への寄付でもあるが、それは裏を返すと、いずれは自社への利益還元にも繋がるという二重の恩恵を受けるものとなるだろう。
それに、被災者へ何かしらの貢献したいと考える顧客などは、どうせならヤマトで送ってもらおうと考えることも予想されるので、もしかしたら二重どころか一石三鳥となるかもしれない。

今回のヤマトHDの件は一例であるが、このようにその他各種の企業もこぞって義援金を贈ることを表明している。
今は、テレビや新聞などに広告を出すのであれば、こうして東北地方へ義援金を贈ることの方が余程の企業イメージのアップと売り上げに繋がっていくと思う。
カネがすべてではないが、復興へはとにかくカネも必要だ。
寄付行為がたとえ売名行為でもなんでもいいと思う。
それでも何もしないよりはましなのだ。
企業の皆さんには、個人だけでなく企業としても、もしCMに出す余力のカネがあるのなら、それを東北地方へ義援金として寄贈していただくことを望みたいものである。