【時代劇局長のズバリ感想文】

第2回の放送である。実は大河のようなロングランのドラマは2回目が非常に大事なのである。思えば、筆者が酷評した『武蔵-MUSASHI-』は第1回は面白かった。しかし、2話目で早くもズッコケ、その後も全く面白くなかった。2回目は今後の方向性を決める大事な回である。では、そんな重要な2回目の感想にいきましょう!

①冒頭が大事!

冒頭はどんな風に始まるか?これが2回目の大きなカギである。大河ドラマの本編の前に、解説やあらすじが入るのは珍しくないが、ここの出来がドラマの行方を左右するのは間違いない事実で、冒頭が面白ければ本編も面白い!というのが、長年大河を見続けてきた筆者なりの回答である。

②いきなりこれか?

冒頭からいきなり、龍馬が『江戸に行きたい』と訴えるとこからスタートした。これには意外であった。プロローグもなく、物語の肝をここに持ってくるかぁ~と突っ込みを入れてしまったが、もしかして、今日描く重要な部分を冒頭に持ってくる作戦か?と思って、タイトルバック終わりの本編に注目した。

③冒頭の意味

しかし・・・物語は冒頭から続いていたようである。おいおい!と、またもや突っ込みを入れつつ、『まてよ?』と、いろいろ考えた。出た結論は、今話で語られるメインの内容をいきなり冒頭に持てくる事で、物語の全体像が把握出来るという効果がある事。また、話に入っていきやすい事が挙げられる。なので、ここは一概に評価するのはやめよう。これが吉と出るか凶と出るかは今後のドラマ次第なのだから・・・

④当時の江戸の存在とは?

武市半平太、岩崎弥太郎も江戸行きを夢見ていた。当時の人は江戸をどんな存在に思っていただろう。現代で言うと宇宙のような存在?そこまで遠いものではないと思うが、当時の交通事情を考えると、行けるけど現実的に行けないところ・・・という存在だったのでは?思えば、『独眼流政宗』で、政宗が海を見て間隙するシーンがあったが、あれは新鮮だった。当時と今とでは感覚が全く違うという事が分かる。なので、江戸は夢を実現させる事が出来る、まさに”夢の楽園”だったのかもしれない。

⑤プライドという概念

堤防工事を任された龍馬だが、二つの農民の喧嘩で頓挫。酒を飲ませ仲良くさせようとしたり、”本職の?”歌まで披露するが失敗に終わる。下士が百姓にバカにされるという屈辱も味わった。でも、そんな屈辱感は龍馬には全くなかっただろう。プライドはないのでは?と思うが、筆者は龍馬自身にプライドそのものの概念がなかったのではないか?と思う。

⑥大事なシーンなのに・・・

龍馬に恋をしている加尾が龍馬と会っている場面を目撃し、弥太郎は不快感を露にする。一方、加尾は縁談の話を打ち明け、子供の頃から龍馬の事をずっと好きだった事を打ち明けた。農民との関係も含め、『わしは人の気持ちが分かっちょらん』と落ち込むが、雨の中、泥まみれになってひとり堤防を築こうとするのであった。そんな龍馬の姿勢に心動かされた農民は堤防工事に戻り、工事は無事に期限までに終了するのである。ん~!イマイチ、農民達の龍馬を見る目がしっかり描かれていなかったように思える。せっかくの良いシーンなのだから、もう少ししつこく描いても良かったのでは?でも、龍馬は例え百姓であっても差別しないという、人は皆平等で、誰に対しても同じ態度をとる姿勢はしっかり描かれて良かった。

⑦こうきたか?!

なるほど!と思ったのが、堤防工事の経験を元に、『江戸に行きたい』と再度、父に申し出た事だ。”広い世の中を見たい”という理由に難色を示す父だが、『わしを納得させる理由を見つけよ』と、とある書状を差し出した。その書状とは?千葉道場への紹介状であった。千葉道場の猛稽古に耐えられるなら・・・という条件を出した事で、江戸行きが決まった。えっ?親が用意?と思ったが、そこは『武士に二言はないな?』と確認するところでチャラ。こうして龍馬のさらなるチャレンジが始まった。それにしても、良いオヤジだなぁ~。龍馬の堤防工事を評価してのものだが、ひとつの課題をクリア出来た事で、父が認可する”坂本家の免許皆伝!”といったところか?

【来週の展望】

最初の『江戸に行きたい』という話が、最後の最後で身を結ぶとは!なかなかではないか?毎回そう簡単にはいかないと思うが、3回目はどうなるかな?期待だ。