【時代劇局長のズバリ感想文】


今話のタイトルは『実頼追放』。えっ?この話で1話描いてしまうの?と思ったが、兼続を語る上では欠かせない弟の存在。餞の回と言ってもいいのかもしれない。


①☆


冒頭の言葉は、”言葉”ではなく、”☆”という記号からスタートした。”兼続”と名付けられた星があり、その名付け親は大国実頼の子孫であるとの事だった。子孫までもが登場したが、秀吉に恩義を感じ、徳川に近づく兼続を許せなかった実頼。そこで対立が生まれてしまった訳だ。非常にコンパクトで分かりやすかったが、☆の解説がイマイチ分からなかったかな?


②出羽米沢藩第2代藩主誕生!


慶長9年(1604年)、景勝の側室が男子出産後に亡くなった。長子の生母は公家の名門・西園寺家の一門である四辻家の娘。のちの定勝を生んで100日余り後に亡くなったため、定勝はお船が育てたと言われている。出羽米沢藩第2代藩主である。世継ぎが生まれてホッと一安心の景勝であった。


③いいぞ、小泉孝太郎


実頼が、兼続の長女・お松と本多正信の次男・政重との婚礼を妨害した。婚儀を勝手に断ってしまったのだ。泉沢の言葉に全く聞き耳を持たなかった実頼の目は完全にイッていた。何をするか分からない危ない目だった。演じたのはご存知!小泉孝太郎さん。小泉元総理の長男で、俳優になりたての頃はいろいろ言われたが、演技派の俳優に着実に成長している事をうかがわせた。


④リアリティあったぞ


この妨害行為は史実にはない架空の物語であろう。しかし、実にリアリティある設定であった。これで上杉家は信頼を失い、謀反の疑いをかけられる事になった。そして、もはや実頼の首を差し出すしかない危機に追い込まれた。兼続は正信に謝罪し覚悟を述べて危機から逃れるが、兼続も肝が冷えたであろう。家康はこのような手法で多くの大名をつぶしてきたんだろうなぁ~と思わせるエピソードだった。


⑤餞の物語?


兼続は実頼を高野山追放した。伝えられている話では、政重を迎えるために上洛した使者を殺害して高野山に逃れた・・・となっている。追放か?勝手に逃れたのか?真実は分からない。実頼は兼続の死後、密かに米沢に戻ったと伝えられている。という事は、今話で、兼続と実頼は永遠の別れをした事になる。相変わらず、綺麗な終わり方をしていたが、これは”実頼が逃れた”という設定にすると、もう兼続と実頼の話を描きようがないという事からか?確執が生まれた中で、こんな兄弟愛があったとは考えにくいが、実頼最後の登場に兼続が自ら花を贈ったという格好になった。


⑥やっぱり政治手腕の話をもっと!


出た!兼続の政治手腕の話。開墾地で採れた野菜に、希望の光を感じる・・・という短いエピソードであったが、出来れば石堤&農地開墾の話を1話でじっくりと描いて欲しかった。あんな短い内容では、兼続が米沢で果たした功績が伝わらない!と思ったのは私だけであろうか。でも、幼い兄弟がじゃれあう姿に、幼い与七の姿を重ねた兼続のシーンは良かった。一抹の寂しさがとても良く伝わった気がする。


【来週の展望】


残り5話かな?とうとうカウントダウンが始まった感がある。寂しいなぁ~。