【時代劇局長のズバリ感想文】
先日、米沢に行った我が母。やはり観光客はとても多かったそうだ。筆者は、今年2度米沢に行く目標を立てたが、まだ1度も行けていない状況・・・。本来なら夏前に1度行く予定だったが、涼しくなったら必ず行くぞ!と心に誓う今日この頃。それでは今週の感想文にいきましょう。
①ちょっと待った
冒頭の言葉は、『ちょっと待った』。とんねるずがかつて出演していた『ねるとん紅鯨団』を思い出したが、これは、秀吉が天下統一を目指して進める中、伊達政宗、北条氏政が、『ちょっと待った』と、秀吉の天下統一にストップをかけている・・・という事を指していた。そうは言っても、やがて伊達が秀吉に屈し、北条も抵抗するも最後には堕ち、秀吉が天下統一を果たす事になる。今日はこの動きが描かれる事になる。この事を描いた大河は数え切れないほどある。そんな中で今大河は上杉の視点で描かれる事になる。
②兼続が身につけたモノは?
本編最初は、北条に宣戦布告をした秀吉が描かれた。相変わらず秀吉は顔が白いなぁ~と思いながら見ていたが、笹野さんの秀吉もすっかり板についてきた気がする。一方、越後では秀吉の天下統一によって戦の世が終わる事を願っていた。初めて関東に出陣する景勝と兼続は、天下泰平の世がくるのを前に、今は亡き阿部、吉江の事を思うのであった。兼続は何かを身につけるが、ここではちゃんと紹介されず・・・。一瞬、お守りか?と思ったが、お船から”お守りはお渡しせぬ”という発言があり、お守りではない事が分かった。『仲間とともに参る!』と発した兼続だが、中身は一体何か?それは本編の最後に明らかになる。
③北条と徳川の盟約?
対北条で、上杉勢は真田、前田とともに北国軍として参陣した。各武将が小田原に向けて出陣したが、どう考えても北条には勝てない戦であった。北条氏政は勝てると思っていたのか?と思ったが、そこには徳川との盟約があった。しかし、その盟約については具体的に何も名言されず・・・。ちょっとこの辺りが消化不良に思えた。
④ささきいさおが一瞬で・・・
北国軍は、北条の支城である上州・松井田城を包囲し、持久戦の末、城主・大道寺政繁が降伏した。平伏する大道寺に、景勝と兼続は酒を振る舞うが、敵にも礼節を持って接する上杉の心に、利家は感服。昌幸も立派と褒め称えるが、景勝は当然といった顔をしていた。のちに、大道寺政繁は切腹させられるが、演じたささきいさおさんが、このシーンだけで終わってしまうのは気の毒であった。あのアニメソングでお馴染みのささきいさおである。かつての大河ドラマ『葵徳川三代』では細川忠興を演じたささきさん。もう少し良い役を与えても良かったのでは?と思うのは筆者だけではないだろう。
⑤政宗説得に家康が・・・?
茶々も小田原に来ていた。凄いモノを見せてやるから来た・・・との事だが、茶々役の深田恭子さんが可愛い。我侭娘のように描かれているが、彼女の存在感は際立っている。フカキョン目当てで見ている人もいるのでは?そんな中、秀吉に呼ばれて家康が登場。秀吉は伊達政宗を説得してくれぬか?と再度家康に頼むが、未だに政宗からの返事がない様子。それにしても政宗は大した度胸である。秀吉に屈した後もいろんな疑惑をかけられるが、最後まで天下取りをあきらめなかった政宗であった。
⑥要注意人物
兼続も政宗へ参陣を促す書状を送るが、政宗は無視。その件で兼続と家康が対面するが、兼続の伊達に対する書状に快く思っていない様子。実は家康は政宗に対し、”参陣無用”という書状を送っていたのだ。なんという狸親父か!政宗もそうだが、家康も要注意人物のひとりで、天下統一の後は関東に移封される事になる。当時の関東はまだ未開の地であった。ある意味拷問的な秀吉の命で、いかに秀吉が家康を警戒していたかが分かる。これはサラリーマンの世界に例えると非常に分かりやすい図式だ。
⑦すっきりしない内容が狙い?
『参陣するかはわしが決める』としていた政宗も結局は秀吉に屈する事になった。兼続の書状により、”時代が大きく傾いている事”を感じた事もあるだろうが、”参陣無用”とする家康の思惑を見抜いた事が政宗を動かした。しかし、どう対抗しても秀吉に勝てないと思ったのか?家康に利用されるのは御免だと思ったのか?など、政宗の本心までは描いておらず・・・。政宗が参陣した時の家康の困った顔ときたら・・・。北条との盟約とは?伊達に参陣無用の書状を送った狙いは?すっきりしない内容であった。むしろ、それが狙いだったのか?それにしても、小田原を見下ろす映像は凄かった。当然CGを使っての映像だが、実際はCG以上の迫力があった事だろう。
⑧兼続の勝ち
白装束で参陣した政宗。これはすっかりお馴染みのエピソードだが、秀吉はその姿に何も触れなかった。願わくば、何かしら解説を入れて欲しかった。政宗ファンとしてはちょっと寂しい気がした。遅参により伊達は会津領を没収。そして、政宗は帰国途中に兼続を訪ねるが、相変わらず態度の大きい政宗。この程度の城にてこずるとは?秀吉に屈するつもりはない!と交戦的な態度を取っていたが、兼続は余裕なのか?笑いながら対応。『やがて戦場でその首をもらい受けよう』という言葉にも、『もう戦の世の中にならない』と返すが、ご存知!兼続の願いは叶わず、やがてこの2人が戦う事になる。その布石ともいえるこのやりとりだが、まずは兼続の勝ち!といった感じ。政宗の若さが前面に出た感じがする。
⑨秀吉があっさり勝利?
景勝らは小田原の秀吉の本軍に合流。そして、森に隠して建設していた石垣山城が突如、北条軍の前に姿を現した。ドラマでは少し説明不足であったが、石垣山城は木々が覆われた中で築き、木々を倒した事で、北条にとっては突然出現した城であった。これにより、北条氏政はあっさり敗戦を認めるが、難攻不落と謳われた小田原城だからこそ、この一夜城が利いたのである。秀吉恐るべし!である。ここに秀吉は天下統一を果たす事になる。
⑩関ヶ原まで10年
家康と三成の対立もしっかり描かれた。『そのほうの進言か?相変わらず知恵が回るのぉ。しかし、城ひとつ落とせなかったようじゃのぉ。戦は苦手と見える』。三成は何も言い返さなかったが、関ヶ原まで10年・・・。今後もこの2人のやりとりは続く事になる。
⑪あの”札”を胸に・・・
兼続が身に着けていたものは、”札”であった。魚津城が陥落する際、阿部、吉江らは自分の名前入りの札を身につけ切腹したと伝わっているが、あの札であろうか?彼らの想いをいつまでも忘れずにいた兼続だが、彼らの犠牲があったからこそ今の上杉があり、天下泰平がある。その事をいつまでも忘れない”兼続のまっすぐな姿勢”がとてもよく現れていたと思う。
【来週の展望】
来週のタイトルは、『女たちの上洛』。菊姫とお船が京へ人質に行ってしまう話である。天下統一によって各武将が同じような事を命じられるが、そこには女たちの苦悩、戦いもあったのだ。来週はその部分が描かれる事になる。