【時代劇局長のズバリ感想文】
14回目である。早いなぁ~。ただただ時の流れの速さを改めて感じてしまった。さぁ、御館の乱もそろそろ佳境。今回はどんな風に描かれるか楽しみである。さぁ、それでは今週の感想文にいきましょう。
①宿命のライバル
今回の冒頭の言葉は『宿命のライバル』。ご存知!上杉と武田の事だ。上杉謙信と武田信玄は川中島で5度戦い、5度とも引き分けた。もしこの時代にテレビがあって、全国に生中継されたら視聴率100%であっただろう。日本屈指の戦国武将同士の戦い。今から400年以上も前の事だが、今の世にまで歴史が伝わっているのは凄い事である。この上杉と武田がまさか結びつくとは・・・。今回はそんな話である。
②面白いカメラアングル
今回は面白いカメラアングルがあった。景虎が遠目で映し出された映像だが、見た瞬間、『なんじゃ、この映像は!どうして襖を写すの?』と思った。するとカメラに”引き”が入って・・・妻の華姫が景虎を襖の陰からそっと見ていたというシチュエーションである事が分かった。なるほど!見た目には決して良い映像ではないが、ここには制作者のこだわりが感じられた。こういうのはいいなぁ~。
③仙桃院はおしゃべりか?
仙桃院から愛姫に、遺言は嘘だった旨が打ち明けられた。確か、仙桃院は『ここだけの話』と言っていたのに、仙桃院はおしゃべりだ。打ち明けた事で、今後はどう展開するのだろう。何もなければ無意味なシーンであるような気がする。でも、きっと何かがある!そう筆者は思っているし、そうであって欲しいものだ。
④兼続、拘束の意味は?
上杉と武田が和睦するという話は、高坂弾正が亡くなった事で白紙に戻ってしまった。それによって兼続は閉じ込められてしまうが、この意図がよく分からなかった。施錠もあっさりはずされ、これは意味のないシーンだったような気がする。と言ったものの、よく考えれば意味があるのかもしれないが、ちょっと疑問を感じたシーンであった。
⑤顔で演技出来る北村一輝さん
兼続の願いは景勝に一蹴された。それでも景勝に訴える兼続。しかし、雲洞庵で一緒に学んだ仲間からも反対され、行き場を失ってしまった。それでもめげない兼続は、ただ目を閉じて景勝を待つ事に。そんな兼続を、父の樋口惣右衛門がフォローしたが、親だからこそ兼続の考え、想いをしっかり理解していたのであろう。ナイスフォロー!親がしゃしゃり出る場面でもないのかしれないが、あえてサポートに回る”父の愛”は素晴らしいものがあると思う。そして、ここからが良かった。義父・謙信の言葉を思い出し、毘沙門洞から出てきた景勝が、さっぱりした表情で兼続を見つめたのだ。顔で演技出来る北村一輝さんは本当に素晴らしい。『越後を守るために生き延びる』。これで景勝軍の道が決まった。
⑥建て前と現実
それにしても、兼続の行動に対して、『上杉の生き方に反する』という胸のくだりがあったが、現代の考えからすると兼続と同じ事を思うだろう。しかし、建て前と現実とを比較すると、当時は建て前が優先された時代であった。だからこそ無駄な戦いが多く繰り広げられた訳で、歴史に名を残す事なくこの世を去った武将も多いのでは?いずれにしても、建て前と現実をうまく使い分けた武将が、現代に名を残している人なのかもしれない。
⑦信長は毎週必要?
安土城の信長が、今回も初音ととも描かれた。さすがに毎回描くと、どう撮っていいのか分からないのか?野原のような場所でのやりとりであったが、信長を毎週出す意味はないような気がする。全くないとは言えないが、信長にずっとついた初音が今後どう兼続と接するかが楽しみだ。それを考えたら、印象度を上げるために、無理に信長&初音を出していく事が必要なのかもしれない。
⑧景勝にどうからむ?菊姫
用意した黄金によって、景勝軍は武田と和睦する事が出来た。勝頼の顔がどうしても悪人にしか見えないが、鍵を握る人物でありながら脇役といったところか!!そして、菊姫と景勝の婚儀も決定!無口な景勝に対して、どう菊姫がからんでいくか楽しみである。
【来週の展望】
来週で御館の乱も来週で終了する。景虎の最期はどうだったのか?を注目するのはもちろん、華姫、仙桃院の行方も気になるところ。とにかく、しっかり来週も見ましょう。