第二回

2000年代前半~

隣国からの出稼ぎ

Kポップ

 

今のところ日本における

Kポップの最盛期は2011年だろう。

その年末の紅白歌合戦には「少女時代」

KARA」「東方神起」の三組が

出演したし、

売上の面でも少女時代の

ファーストアルバムは

日本レコード協会からミリオン認定される

など大ヒットを生み出した。〔1〕

ちなみに2011年の

年間アーティスト別売上ランキングの

4位と5位はKARAと少女時代である。

その後は、日韓関係の悪化や

日本国内からの反発を受け

あまりメディアには

登場しなくなってしまった。

しかし、最盛期を過ぎても

Kポップ勢は確実に日本に根を下ろし、

幾多のグループが日本で活動している。

大き目のCDショップにいくと

結構な面積を使って

Kポップコーナー」が

設けられている。

私も、Kポップは別の国の人が

作曲しているせいか音の響き

(ようするにメロディーライン)が

新鮮に感じられるため

大好きである(日本人のセンスでは

思いつきそうにない

メロディーですよね)。

 

韓国の歌手が

日本進出を目指す理由としては、

韓国より日本の方が

音楽マーケットが格段に大きいこと

(つまりお客さんが多いので、

たくさんCDが売れることが

期待できるから)〔2〕

②韓国では日本よりも

音楽の違法コピー・

違法ダウンロードが盛んで

音楽ソフトが正規のルートで

流通していないこと

(つまりネットを使ってタダで

音楽を手に入れる人が多いこと)

が挙げられる。

 

またKポップの特徴、

もとい悪しき点としては、

①男子には徴兵制度があり、

否応なく数年間活動休止を

余儀なくされること〔3〕

②事務所とタレントの契約条件が、

タレント側にとって不利であることが

多く、それを原因とし

多くの脱退者(事務所離籍者)や

解散が生じること〔4〕

③歌手の人気の栄枯盛衰の

サイクルが早いこと

(つまり早いスパンで

引退や解散をしてしまうこと)

が挙げられる。

 

きっとみなさんと同じく

私が初めて耳にしたKポップ歌手は

BoAである。

そしてその次が東方神起である。

両者ともレコード会社は

エイベックスからデビューし、

ついに東方神起が

オリコン週間チャート一位を

取ったときは

「お隣のグループ人気も

ここまで来たか」と

勝手に感動してしまった。〔5〕

日本のKポップ文化の下地を

築いたのは間違いなく

エイベックス(と、韓国の

芸能事務所SMエンタテイメント)

であろう。

 

 

〔1〕2011年6月11日発売のこのアルバムは、

2012年5月に日本レコード協会より

ミリオン認定された。

 

〔2〕日本レコード協会が発行している年報の

2015年度版には2014年の世界各国の

音楽産業の売り上げがランキングされている。

日本は、年間約2627百万ドルで世界第二位。

韓国は、年間約 265百万ドルで世界第八位。

規模は実に約10倍の差がある。

 

〔3〕こちらのサイトによると

21~24ヵ月。

 

〔4〕2009年の東方神起、

2011年・2014年のKARAの

分裂騒動など。また、東方神起の騒動の後、

韓国の芸能界ではタレントとの契約期間が

見直され最長で7年とされている。

契約から7年目は移籍や解散などが

増える「7年目のジンクス」という言葉が

韓国にはある、とのこと。

出典はこちら

 

〔5〕

2008年1月、17枚目のシングル

「Purple Line」でオリコン週間売上ランキング

1位を初獲得。タイアップ先は

自動車会社SUZUKIのシボレーMWのCM。

 

 

 

 

【東方神起】

逆境に打ち勝つKポップの帝王

 

東方神起

左から、ユチョン、ジュンス、ジェジュン、

チャンミン、ユンホ

 

今の小中学生は東方神起が

元々5人組グループだったことを

知っているでしょうか。

事務所との契約条件を原因とし

事務所と対立・メンバー内での対立

もあり、チャンミンとユンホの二人が

今現在「東方神起」として

活動しています。

対立期はテレビ越しにでも

メンバー内の張りつめた空気間が

こちらにも伝わってきて、

ファンの方にとってはかなり

辛かったのではないでしょうか。

売上とかパフォーマンスの質とかも

大事ですが、

アイドルグループのファンが

一番望んでいることは、

「メンバーが仲良しで、

解散・脱退もなく長きに渡って

活動してくれること」かもしれません。

 

二人組となってからも

「東方神起」の勢いは衰えず、

というかむしろパワーアップ。

今の主なファン層はマダムたちである

と思われます。

やっぱり可処分所得の多い

アラフォーアラフィフの

マダムたちが支えてくれる……

というのは売上的には大きいですね。

今度のドームツアーライブの

プレミアムシート・チケットの

お値段は24,800

ですってよ、奥様!!

小娘には到底、

手の届かない金額で

ございますことよ!!!

 

 

兵役からの復帰再始動後の

なんと200億円。

「歩く企業」と彼らが

呼ばれているのも納得です。

何だかお金の話

ばかりしてしまいましたが、

二人の誠実そうな人柄と

逞しい筋肉

(↑マダムが喜ぶ二大要素)、

そして帝王のような威厳に

満ちたパフォーマンスは

ライバルの追随を許しません。

復帰記念アルバムの発売が

今から楽しみですね。

 

 

【BIGBANG】

(多分)Kポップで一番

カッコつけてるアイドルグループ

 

BIGABANG

左から、V.I、SOL、G-DRAGON、

T.O.P、D-LITE

 

BIGBANGについてはあんまり

書くことが思いつかないんですよ。

何だろう……日本の

ジャニーズアイドルの

庶民感・クラスに居そうな感じ

(実際は中々いませんが)の

男性アイドルに馴染みのある

自分としては、

こういうキャラ作りこんでる

タイプのアイドルってイマイチ、

ぴんと来ないというか、

ちょっと遠い存在なんですよね。

名前からして違いますよね、

D-DRAGOND-LITEですよ。

山田くんとか松本くんとか

じゃないんですよ。

こういう人間味がないというか、

より偶像的というか、

観念的というか、

生活感がない感じは

日本のヴィジュアル系バンドに

相通じるものがありますね。

ヴィジュアル系の中でも

ジャンヌ(Janne Da Arc)とか

シドじゃなくて、

初期SHAZNAとか初期GACKTの、

より正体不明な感じ

(今はIZAMGACKT

バラエティ出たりとかして

人間味がある)。

 

楽曲もオシャレっすわ。

日本のアイドルポップは

「歌謡曲」の系譜ですが、

BIGBANGの曲は「クラブサウンド」

「ダンスミュージック」のノリ。

PVとか衣装もモード系というか

エッジが効いてて尖っている

(トンガッてる)。

『装苑』とか読んでる子

・服飾専門学校生が

好きになってくれそうな感じ。

 

ヴィジュアル系バンドならともかく、

ダンス&ボーカルグループで

こういった尖ったグループが

日本で人気を博すとは

思っていませんでした。

今まで前例がなかったじゃないですか。

 BIGBANGは(Kポップは)

日本女性の新たなツボを

刺激したというか新たな観点

・価値観を提供したのでしょう。

「こういう尖ってて、

モードでキメキメで、

カッコつけてるアイドルも

いいよね」と。

ビビットカラーで

髪を染めるなんていう行為は、

ひと昔前は

「ヴィジュアル系に憧れる不良娘」か

「振り切れた関西のオバチャン」

の文化でしかなかったのに

今や当たり前じゃないですか。

今は街を歩けば必ず一人は

赤髪や青髪の少年少女を見かけます。

ちなみにうちのオカンの髪も

バンパイア・レッドです。

これもKポップのせいです、多分。

それと今はKポップ以外のアイドルも

髪を蛍光色に染めてみたり

してるじゃないですか。

ジャニーズWESTの神山君とか、

lolの小見山君とか。

これもKポップが持ち込んだ

文化ですよね。

 

色んな価値観が生まれて

好みが分化し、

その結果いろんな商品が

世の中に出回るって

素敵なことだと思います。

「選択肢が多い」って

自由で幸せなことですよ。

その分「国民的ヒット」

「国民的アイドル」は

生まれづらくなっていきますが。

 

 

9月3日。

更新が遅くなってすみません。

 

【SHINee】

SHINee

奥から、オンユ、テミン、ジョンヒョン、

ミンホ、キー

 

【SHINee】

この記事を書くにあたって、

録画していたSHINeeの

2011年のMステ初登場の映像

(披露曲は「Juliet」)を再見しました。

「韓国で最も輝いているグループ」

というアオリの元、

VTRで紹介されている彼ら。

韓国で権威のある

ゴールデンディスク大賞を

受賞したとか、

イギリスやタイや台湾でも大人気とか、

日本デビュー曲が

少女時代・東方神起などの

日本デビュー時よりも売れている

など色々と「輝ける」実績が

まとめられていました。

 

「スーパーグループが

Mステに降臨する!!」という

ナレーションの後、

司会のタモリさんに

自己紹介を一人ずつするよう

促された彼ら。

こんなスゴイ人たちは

どんなトークをするのかなと

思っていたら、

リーダーのオンユの

「コンバンハ。シャイニのリーダ、

オニュで~~~す。

ワタシハ、サイキン、

オヤジギャグに、ハマッテマス」

という片言の日本語での

しまりのない発話が始まりました。

タモさんと竹内アナの苦笑いと

シュールな間の後、

次々と片言の日本語で

短く自己紹介をしていく彼ら。

 

一番可笑しかったのがミンホで

「ボクハ、スポーチュがスキデス」

とのことですが、

「スポーチュ」って何??

舌足らずにも程があるでしょうよ。

「sport」は日本語でも韓国語でも

「sport」ですよね?外来語なんだし。

「sporchu」じゃないでしょう。

可愛すぎるでしょ。

その後も「東方神起

チャンミンセンパイから、

日本も韓国も、オナジ・・・・・・・、

あーーオ・ヤ・ジ・・・・・・・、

オナジなので自信をモット

(おそらく「持って」と言いたい)

ガンバレとアドバイスをモライマシタ」

と話すミンホ(おそらく、オンユの

「オヤジギャグ」に引っ張られて、

「オナジ」が言えなくなったのでしょう)。

 

韓国グループの魅力は

こういうことなのです。

どこからどうみても精悍で美形の

成人男子がアカチャン言葉のような

片言の日本語で話す・・・・・・。

このギャップがたまらないのでしょう。

いわゆる「萌え」というヤツですわ。

本人達は一生懸命話している

だけなのに、ところどことたどたどしくて、

そのおぼつかなさが見る人の

母性本能をくすぐります。

確かに愛らしい舌足らず口調ですが、

同じことを日本人がやると、

いくらイケメン・美人でもその場で

張り倒されてしまいます。

外見は「完璧美形」なのに

口調は「幼児的」、

これは外国人にしか許されていない

秘密兵器です。

前例としては「ビビアン・スー」や

「アグネス・チャン」がこれに当たります。

 

というわけで、

東方神起・BIGBANG・SHINeeと

三グループを紹介するだけで、

Kポップアイドルグループの三大魅力、

「誠実そうな人柄とマッチョ」

「日本にはない尖り具合」

「完成された外見とパフォーマンスと

舌足らず口調のギャップ」が

説明できました。

「Kポップもちょっといいかな・・・・・・」と

思ったあなた、今からでも

遅くはありません。

いますぐYouTubeを開いてください。

最近のお薦めはiKONと防弾少年団です。

 

次回更新は9月5日の午後17時です。

今回は急いで書いたので、内容を後日

修正するかもしれません。

 

※2017年12月にSHINeeのジョンヒョンの

訃報が届き、韓国のみならず日本にも

悲しむファンがたくさん見られました。

この突然の死に

私も言葉が見つかりません。