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宇多田ヒカル
「プレイ・ボール」(2002)
Album 「DEEP RIVER」より
イントロから鳴り出す、
アコースティックギターの
アルベジオが心地よいこの曲は、
ところどころで鳴る鉄琴というか
クロッケンの音がこの曲の
静けさをより印象付けている。
こうしたギター、クロッケン、電子ピアノが
作り出す薄味のバックサウンド。
その根底にブンブン鳴るベースラインと
無機質なドラムスが敷かれている。
そこを意識して聴くとまた一層心地よい。
そしてサビに入ったところで、
この曲は表情を変え、激しさを見せ出す。
ドラムスがもう一段激しくなるとともに、
【束の間の沈黙を破る
question
九回の裏で魅せる
ピッチャーのように】
の部分では、早口で畳みかけ、一呼吸置く。
その後、また早口で畳みかけ、音を伸ばす。
という極度に緩急のついた
独特のメロディーラインが当てられている。
このサビの部分がこの曲一番のポイントではないだろうか。
二度目のサビ終わりの間奏で
ギターソロがひとしきり曲の展開を盛り上げた後、
サビのパートに戻る。
ここの【狙いを定めて】
の部分のヒッキーのフェイクも決まっていて
とても格好いい。