心の病に罹ると環境や状況的に著しく抑圧されると言っていい。

例えば、入院中は情報源といえばテレビに新聞、それに漫画といったもので、ほぼ知的な情報に触れることはできない。そういう状態で二年間から数十年間も入院生活をする人がほとんどだ。今でもたぶんそうだろう。

また、その後にやることになるのが作業療法と言って、リハビリテーションとして簡単な軽作業を行うことになるわけだが、種目が決まっており、ある地点で頭打ちになる。知能を使うと言っても塗り絵や数独程度で、ほとんど知能を使えると患者は見られていないようだ。

その後に、障害者雇用というものもあるのだが、大抵の患者は就労支援施設に行かざるを得ない。そこで割り当てられるのは作業療法程度の簡単な軽作業であり、それを職員の指示に従って延々とやらされる羽目になる。

さらに言ってはいけない部分としては、精神障害者としての扱いから、もともと知能を使えないと思われているからか、簡単な軽作業か、もしくは頭脳を使わない肉体労働中心になる。このような患者の特質から外れた労働が多いので、就労支援施設を自ら辞めていく人や、見学の段階で入所を止す人も相応にいたりする。

僕は収入を得るために就労支援施設に長年通ったが、まるで自分を押しつぶすような抑圧的な環境で児戯に等しい作業を延々とさせられたという恨みが強い。これは三障害を基本条件とした厚労省に主な責任があるといえるが、それを鵜呑みにする福祉職員や病院職員に責任の一端はあると思う。

僕は数年前に調子を崩しリハビリテーションを兼ねて創作活動に励んでいるが、抑圧された状態からようやく自分を膨らましてもともとの状態に戻しているところだ。

失われた二十年近くは残念と言えるが、その間に読書だけは必死で続けてきた。その成果がようやく出始めたところだし、こうやってWebサイトを作ることもできる。さらに自分の能力を乾燥わかめを水で戻すように膨らませ、何とか世の中で有益に自分を活かす方向を見出したい。

とにかく障害者という名のもとに、地べたに押しつぶすような環境だけは早く解消するように、精神保健福祉が動くことを切に願っているところだ。