突然ですが、本日は
「高2・2月のマーク模試又は同日受験から共通テスト本番までの約1年間で何点伸びるのか問題」
についてです。
共テ同日受験や2月マーク模試を終えて、現在高2の皆さんやその保護者の皆さんは「ここからどのくらい伸びるんだろう…」と不安に思っている人がほとんどだと思います。
(不安などないわという人はここで回れ右してください。本番でも良い点が取れるといいですね)
何を隠そう、私もそんな不安を抱えた1人です
そんな時に、某所で「平均100点しか伸びない」説と「全く伸びない」説を見かけて気になったので、ざっくりとですが検証してみました。
模試の種類・参加人数・文理・選択科目によって点数は変わってくるので、合計点の算出方法の詳細は割愛しますが(最小値で出したいので模試は切上げ、共テは切捨て、選択科目は最低と最高を除いて平均するなど超適当に処理しております。)、今回は20222023で比較してみました。
2022の高2の5−7(900点満点)の平均点は
B社(模試) 390点
K社(模試) 413点
T社(同日) 437点
そして1年後の2023の共テの平均点はは516点。
ということは、平均はそれぞれ
B社 126点
K社 103点
T社 79点
ずつUPしていることになります。
受験時期は少し異なりますが、3社を平均すると102点なので、「平均100点しか伸びない」説は実態に近いということが言えます。
しかし実際は、平均で考えてもあまり意味がありません
手元にあったT社のデータを見ると(非公開資料なので概数のみ)、1年間で
東大合格者は約120点(得点率78%91%)
旧帝大合格者は約180点(69%81%)
地方国立大合格者は約170点(47%66%)
ずつUPしていました。
(旧課程なので900点満点)
1年前の時点でどの層も既に平均点がかなり高いですが、そこから更に伸びていますね。
高得点になればなるほど伸び辛くなるのではないかと予想していましたが、少なくとも合格者に関しては、平均以上に伸びているということが確認できました
検証はここまでですが、ここからは怖い話
模試受験者全体で平均100点ほど伸びているということは確認できましたが、T社の国公立合格者だけ見ると平均よりも随分伸びていますよね。
不合格者も含めた上位層が平均で150点くらい伸びていると仮定すれば…もしかするとそれ以外の層は平均50点しか伸びていないのかもしれません
(これはあくまでも可能性の話でしかないので、話半分でお読みください。)
平均点だけ見れば確かに「1年で平均100点上がっている」のですが、その内訳は、「200点上がる人と全く上がらない人がいる」や「300点上がる人と100点下がる人がいる」という可能性もあるのです…
(どちらも「平均で100点上がる」ですよ…)
もちろん上位層の中にも平均以上に伸びる人もいれば平均よりも伸びない人がいるでしょうけれど、あらゆる点で二極化が進む今の時代、そんなことがあっても不思議ではありません…。
私大専願の人や、国公立でも苦手科目を「捨てた」人はそこからは伸びないと思われますので、相対的にマイナスになっていることも考えられますが、逆に科目別に見れば、平均よりも点数が上昇している可能性も高いと思います。
ですから国公立を目指して全科目捨てずに共テまで勉強を続けた人に限って言えば、(既に伸び代の少ない上位層を除けば)平均100点くらいはアップしているのではないかなと思っていますが、それも受験者層のデータを個別に見なければ判断はできません…。
結論として言えるのは、
「平均すると100点上がる」
という事実のみなのです…
「平均で100点上がるということは、平均的に勉強していれば100点は上がる。
平均より頑張ればもっと上がるし、平均より勉強しなかったら相対的には下がる。」
というように考えがちなのではないでしょうか。
(だから子供に「勉強しなさい」と言う親が多いんですよね)
でも、これもあくまでも一般論でしかありません。
個別に見れば勉強法が合っているかどうかにもよりますし、頑張っても上がらない人もいれば頑張らなくても上がる人もいます
数年前に大学受験した私の姪っ子は、高1から高3までずっと学年順位も模試の判定も良く「8割以上は当然取れるので、そこから何点上乗せできるか」という状況だったのですが、本番ではなんと7割に届きませんでした
結果だけ見れば「1年後に下がった人」になるのですが、そこに至るまでは毎日何時間もしっかり勉強をして、模試でも順調に仕上がってきていたのです…。
(得意だった英語が予想外にできなくて、気持ちが切り替えられないまま終わってしまったそうです)
まだ発展途上の高校生ですから、どんな模試でも常に安定して取れる子は少ないと思います。
自分の得意分野が出題されれば点数は上がるし、苦手分野が多ければ下がる。
本番で偶々自分の苦手な分野ばかりが出てしまう事だってあるでしょう。
模試の判定は、“その問題に関しては”力が付いているという確認はできますが、本番での合否に関しては何の保証にもなりません。
逆にその時取れなかったからと言って実力がないという証明にもなりません。
姪っ子は志望校を変更して浪人を選びませんでしたが、もし浪人して1年後に再受験していたら高得点が取れていたかもしれません。
「勝負は時の運」とはよく言ったもので、過去の模試がどんなに良くたって本番で取れるとは限りませんし、逆も然りです。
だから模試の良し悪しで褒めたり叱ったりなんて、全く意味のない事です。
本人も親も「そういうもの」だと思っておいた方が良いと思います。
なお、姪っ子が当初の志望大学を目指していた最大の理由は「〇〇市に住みたいから」だったのですが、幸い4年生になってすぐに〇〇市の企業に内定を頂き、この春から〇〇市で暮らす予定です
目指していた大学でも目指していた学部でもない所に入学しましたが、「〇〇市で暮らす」という目標は達成されました
大学受験で人生が決まるわけではありません。
どうしても行きたい大学なら院試で目指したり、大学によっては3年時編入もあります。
金銭的に許されるのなら浪人や仮面浪人をするのも良いでしょう。
(私自身も現役で入った大学を2年次に休学して再受験しています)
未来を変えるのは現在の自分です。