網走には仕事で、のべ三カ月ほど滞在したことがある。
決して町全体を塀が囲っているわけではなく、魚が美味で、ちょっと異国
めいたなかなか居心地のよい町です。

刑務所というのはたいてい灰色の高い塀に囲われて、おそろしく寒々しい印象
なのだけど、網走刑務所はちがう。
取り囲む塀は落ち着いた色のレンガで、お掘りもあり、緑も多く、観光地に
なっているのが理解できる。
網走市観光課のひとが、「ウイーンみたいでしょう?」というのは理解できないが(笑)。

網走刑務所から海へつづく幅50㎝くらいの排水口というかドブがあるのだけど、
はるばる数千キロの回遊から戻ってきて、そのドブを生まれた川と間違えて
一生懸命のぼってくるおばかな鮭があとを絶たないらしい。
それを料理して囚人に出すのかと訊いたら、刑務所のひとたちが海に放して
やっているらしい。
ヤクザ映画みたいに、「もう二度とこんなところに来るんじゃねーぞ」って
鮭にいいながら、海に帰してあげているにちがいない。
鮭は「だんな。おせわかけました」と礼をいい、コートの襟をたてて、
海をまっすぐに泳いでゆく。。

隣接して建つ刑務所職員の寮も、おしゃれな集合住宅のようで恵まれている。
そこで育ったこどもが大きくなって、犯罪に手を染めてしまい、
網走刑務所に収監されることになったら、故郷に錦とはいえないまでも、
こども時代の甘い記憶の残る懐かしい場所に戻ってきたという感慨をもつのでは
ないかと推測するのだが。。

夜の街

網走刑務所の隣には、昔使っていた木造の牢屋を移築し、観光客に公開する
「網走監獄博物館」がある。
網走刑務所の囚人食を忠実に再現して、明治29年建造の本物の旧監獄食堂にて
600円で提供するというビジネスも行っている。
$裏原日記~きょうの疑問
流氷の季節だし、寿司やキンキの炭火焼きも美味だし、腕のいい歯医者はいるし(笑)、
また網走を訪ねたい今日この頃。

伊丹空港から直行便で網走にゆくと、面会に向かうタトゥーが目立つお姐さんが
そこここに乗っておられて、移動の途中から、旅の風情をあじわえてまたよしです。