ちびルーの子犬事情 解決策はまだ見えない | 夢のまた夢

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TRPGのキャラクターの物語を書いたり、まとめたり
金曜日以外は書いていくよ!

とりあえず、まずはギルドに向かった。

ギルドはいつも通り騒がしく、ルーが入ると何人かがこちらを見るがルーだとわかると興味を失ったのかすぐに周りと話し出す。

 

「…んと…あ、いた」

 

ルーの目的の人物は隅のテーブルで黙々と何かの書類を確認していた。

だがルーはそれらを見たりはしない。

大事な書類で、極秘のものもある。あと、こう、個人的なものの時もあるので見てはいけないらしい。

 

「カルモ―」

 

ルーは少し離れた場所から声をかけてみる。

すると、基本は怖がられる容姿の彼はふとルーの方に視線をよこす。

 

「……」

 

無言でルーを手招きする。ルーはそのままカルモの側に行くとテーブルの上に子犬の入った袋を乗せ、袋から完全に出さずにカルモに見せた。

 

「新しく拾ったのか?」

 

「んーん、ルーの子犬だよ」

 

「そうか」

 

子犬は目の前の男を見て、若干ぽかんとしたのちじっと見つめている。

カルモはそんな子犬に柔らかめの干し肉を与えると、ルーの方を見た。

 

「何か悩みか?」

 

「抜け毛がすごいの、前の子よりすごいの」

 

「…個体にもよる…こいつは、短毛種だ…」

 

ルーは短毛種という言葉を初めて聞いた。首をかしげているとカルモは、小さな声だがルーにわかりやすいように教えてくれた。

 

「あと、こいつはたぶん、毛が短いが毛の量は多い…ふかふかしているように感じるのはそのせいだ…」

 

「…ほー」

 

「なので、見た目以上に毛が抜ける」

 

「…抜け毛が散らばるの…」

 

しょんぼりと悩み事を言うと、カルモは考える。

考えた後、若干困った顔でルーの顔を見つめた。

 

「方法は、二つある」

 

「ん?」

 

「1つは、こまめにブラシをかけてやれ」

 

「ブラシ?……髪とかとかすあれ?」

 

「そうだ」

 

「もう一つは?」

 

「洗う方法だ…が…今の時期だと風邪をひく」

 

ルーを指さしながら言うと、ルーは悩んだ表情を見せる。

ルーはブラシを持っていない、つまり買うしかない。

風邪もひきたくないとしたら、洗う方法は論外になる。

 

「ブラシかぁ…」

 

「馬を扱う場所には色々なものがある…試すといいかもしれない…」

 

ちなみに、ルーは馬に近寄ることはあまりない。

むしろ、近づくと怒られるので馬の様子を観察したことはない。

だが、カルモの言葉に、しばし考えるとルーは知り合いの人間で馬を駆っている人間がいないかを考えだした。