いやあ長らく放置してたなぁ。
見てる人もほとんどいないだろうけど、そして以前の予定なんて雲散霧消してしまっているけれど、久しぶりに記事を書いてみたい。
平成ライダー関連作品(とあえて言い切ってしまおう)として、昨今のヲタク界隈で大人気のアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」がある。
この作品、やれ龍騎やら、やれオーズやらと、平成ライダーとの関連性が多く取り沙汰されているが、とにかく毎週が見逃せない展開の連続であり、00年代を(いろんな意味で)席巻し続けてきた平成ライダー同様、多くのヲタクたちを引き付け続けている。
本作(以下「まどマギ」と略す)と平成ライダーの関連性はいずれ本腰を入れて語ってみたいと思うが、今回は取り急ぎ、最新第8話視聴時点で、この物語がどこへ向かっているか、あるキャラクターに関する角度から考えてみたい。
ネタバレ豊富なので、第8話未見の方は以下は絶対に読まないように!
(ネタバレ防止用 本論は以下に↓)
◎キュゥべえとは何か~魔女システムの統制者としてのインキュベーター~
さて、タイトルからしてネタバレ満載なのだが、一度彼について改めて確認してみたい。
キュゥべえとは、「まどマギ」における魔法少女の使い魔的存在である(「魔女の宅急便」におけるキキに対するネコのジジ…っていろんな意味で酷い喩えだ)。
同種のキャラクターとして、「カードキャプターさくら」のケロちゃんことケルベロス、「魔法少女りりかるなのは」のユーノ・スクライア(本来人間体であるが、第1作では多くの場面を動物体で過ごしている)などが該当する。まぁこの辺りはわざわざ読まれている方には周知であろうが。
キュゥべえが特殊なのは、(これも言うまでもなく、)ケロちゃんやユーノくんと違い、主人公の魔法少女に対して善意を持たない、という点に尽きる。
ケロ・ユーノも魔法少女(さくら・なのは)を利用している側面は少なからずあるが、同時に故あって止むを得ずという側面もあり、また彼女たち、ひいては自身の存在と魔法の存在が脅かすであろう人々に対して、一定以上の理解と善意を向けて付き合っている。
それに対し、キュゥべえは自身が接触した人々…魔法少女になる定めのまどか・さやかや、既に魔法少女として働いているマミ・杏子に対して、善意どころか、なんらの感情も持たずに接している(ように見受けられる)。
彼は彼女らに対して、とにかく魔法少女となるよう勧め、なった後は魔女殲滅のサポートを行なう、それ以上の対応は取らない。
それどころか、彼女らを魔法少女にするためには、口八丁手八丁でだまくらかすことも厭わない、というより、それが常態にさえ見えるのである。
利用するただそれだけのために魔法少女たちと接触しているように見えるキュゥべえだが、これは一体何故だろうか。
ここで、魔法・魔法少女・その敵対者について考えてみる。
実はこれらはどれも、「元々魔法少女たちが所属していた日常」に対する異分子、という点で共通している。
「さくら」にせよ「なのは」にせよ、それまで平凡な日常側にいた少女が魔法少女となり、魔法の力を用いて敵対者に対抗する、という点で共通している。無論「まどマギ」もだ。
この時、往々にして敵対者たちも魔法を扱う・あるいは魔力をもった存在であり(「さくら」のクロウカードや小狼たち、「なのは」のジュエルシードやフェイトなど)、魔法少女は異分子的な力を使うという点で、敵対者たちと全く同類である。
(わざわざ"異分子"などと言うのは、もちろん、それが平成に限らない仮面ライダーの殆ど、ひいてはヒーローモノの一つの類型と合致するからである。)
そして、ケロ・ユーノ・キュゥべえたち使い魔は、魔法少女に魔法の(異分子の)力を与え、少女たちを異分子側に引きずり込むという点で、そのスタンス―人々への善意の有無―に関わらず、物語上の機能として、共通しているのである。
(つまりは初代仮面ライダーにおけるショッカーであり、最新作オーズにおけるグリード・その代表としてのアンクなのである。)
さて、「まどマギ」第8話において、いくつかの設定が視聴者に開示されている。
一つ、キュゥべえの肉体はあくまで入れ物に過ぎずスペアがあること。
二つ、キュゥべえの真の名前は「インキュベーター」であること。
三つ、ソウルジェムを極限まで穢れさせた魔法少女は、最終的に魔女となること。
他にもほむらの特殊能力が時間操作であることが確定したなどあるが、ここではこれら3点を含めて、先の異分子に関する問題を考えてみよう。
魔法少女が魔女になる、このことは多くの視聴者が予想していた通りになった。
つまり、魔法少女とその敵対者である魔女は、質的な側面だけでなく、実際的にも等しい存在であるということである。
(すなわちショッカーの改造人間と戦う、悲しみの改造人間・仮面ライダーである。)
それらを作り出すキュゥべえは、魔法少女を生み魔女へと育てる存在と言える。
視聴者的に予想外だっただろう「インキュベーター」の語は、「孵化器」の意味であり、再三グリーフシードから魔女が「うまれる」とキュゥべえ当人が言及していたことを踏まえれば、彼が孵化させていたのは契約を迫った魔法少女ではなく、その結果やがて「うまれて」くる魔女に他なるまい。
契約の結果事実上の死人となってしまう(とされている)魔法少女は、契約の対象がうら若い少女である時点で、「人で無いもの」となってしまった絶望の果て、魔女となるのは確定的である。
(とあえて言おう。さやかの物語はそう言わんがために仕組まれている印象があり、それについて反論したい面もあるのだが、それはまた別の話。)
魔女を前提に置きそこから魔法少女の語を導き出す8話本編最後の台詞からしても、キュゥべえがその目的として希求しているのは魔女であると言っていいだろう。
(まさしく改造人間を生み出すショッカーの所業である。)
さて、ここで問題となるのは、「何故キュゥべえは魔女を生み出させるのか」と言う点である。
キュゥべえは魔法少女と契約し、彼女らを魔女にし、その魔女を魔法少女に倒させ、そのグリーフシードを食らう。何か奇妙に歪んだ食物連鎖が組み上がっているのがわかるだろう。
キュゥべえはその仕組みを循環させるために、魔法少女を作り、魔女を育てるのである。
ではさらに、それは何のためであろうか。仮にそれがキュゥべえの存在を維持するためのものとして、何故キュゥべえは存在し続けなければならないのだろうか。
キュゥべえが1体限りで無いことについては、ほぼ視聴者の予想の範疇であったが、興味深いのは今回初登場の3体目のキュゥべえは別固体ではなく、意識を共有している節がある点であろう。
ここから予想されるのは、現在まどかたちに接触している以外の(複数の)キュゥべえの存在であり、おそらくはそれらも同一の意識を共有しているのではないだろうか。
すなわち、肉体としての複数のキュゥべえを端末として統括する、精神・魂としてのキュゥべぇ(真キュゥべえとか言ってみる)の存在が考えられるのである。
当人たちからすればゾンビ化とされ否定される魔法少女のあり方を、肯定するキュゥべえからすれば、彼はほぼ不死の存在なのである。存在の維持の必要性はなく、キュゥべえは永遠に存在し続ける存在なのである。
これは、魔女を倒してグリーフシードを得られなければ、ソウルジェムが穢れて魔女化してしまう魔法少女―すなわち、魔女の存在の継続性の強固さと併せて、魔女と魔法使いの存在の永続性を高めている。
つまり、魔法少女がいる限り魔女は生まれ続けるし、キュゥべえがいる限りは魔法少女が生まれ続ける、そしてキュゥべえは事実上不死という、この魔女システムとでも言うべき極めて強固な循環の、中核にして根本、いうなれば統制者が、他ならぬキュゥべえである、ということなのだ。
(いうなれば、彼は仮面ライダー剣におけるバトルファイトの統率者・捩れたモノリスなのである。どちらも生み出したものが不明という点も共通する。)
そんなキュゥべえにとっては、自身が「魔法少女と契約し、彼女らを魔女にし、その魔女を魔法少女に倒させ、そのグリーフシードを食らう」ことは、あくまで人間が息をし食事を取るような、極当たり前の営みなのではないだろうか。
彼は存在し続ける限り、魔法少女を生み、魔女を産み続ける。自動的に。
それはおそらく、まどかにしても例外ではあるまい。
キュゥべえは彼自身の当たり前の営みとして、まどかを魔法少女にしようとしているだけなのではないだろうか。筆者はそんな気がしている。
たまたままどかは強い力を持っていただけで、まどかの力自体がキュゥべえの目的ではない、と考えているのである。
彼に目的は無く、強いて言えば、その当たり前の行為それのみが目的なのではないだろうか。
それが証拠に、まどかの力の強さが彼自身にとっても意外であることを、8話で当人が述べていたはずである。
逆に言えば、その意外な力こそ、キュゥべえの当たり前を、魔女システムを砕く、枠外からの力となりえる。
まどかが契約し、魔法少女となってキュゥべえの予想以上の力を振るうとき、そのときこそ、魔女システムが崩壊する、奇跡の到来の瞬間なのかもしれない。
ふむ、意外とライダーネタが多く含まれたなぁ。
まぁ理屈付けては見たものの、あくまで個人的な妄想的考察なので、あまり本気にしないようにw
ではまた。
次の更新はいつになるやら…w
見てる人もほとんどいないだろうけど、そして以前の予定なんて雲散霧消してしまっているけれど、久しぶりに記事を書いてみたい。
平成ライダー関連作品(とあえて言い切ってしまおう)として、昨今のヲタク界隈で大人気のアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」がある。
この作品、やれ龍騎やら、やれオーズやらと、平成ライダーとの関連性が多く取り沙汰されているが、とにかく毎週が見逃せない展開の連続であり、00年代を(いろんな意味で)席巻し続けてきた平成ライダー同様、多くのヲタクたちを引き付け続けている。
本作(以下「まどマギ」と略す)と平成ライダーの関連性はいずれ本腰を入れて語ってみたいと思うが、今回は取り急ぎ、最新第8話視聴時点で、この物語がどこへ向かっているか、あるキャラクターに関する角度から考えてみたい。
ネタバレ豊富なので、第8話未見の方は以下は絶対に読まないように!
(ネタバレ防止用 本論は以下に↓)
◎キュゥべえとは何か~魔女システムの統制者としてのインキュベーター~
さて、タイトルからしてネタバレ満載なのだが、一度彼について改めて確認してみたい。
キュゥべえとは、「まどマギ」における魔法少女の使い魔的存在である(「魔女の宅急便」におけるキキに対するネコのジジ…っていろんな意味で酷い喩えだ)。
同種のキャラクターとして、「カードキャプターさくら」のケロちゃんことケルベロス、「魔法少女りりかるなのは」のユーノ・スクライア(本来人間体であるが、第1作では多くの場面を動物体で過ごしている)などが該当する。まぁこの辺りはわざわざ読まれている方には周知であろうが。
キュゥべえが特殊なのは、(これも言うまでもなく、)ケロちゃんやユーノくんと違い、主人公の魔法少女に対して善意を持たない、という点に尽きる。
ケロ・ユーノも魔法少女(さくら・なのは)を利用している側面は少なからずあるが、同時に故あって止むを得ずという側面もあり、また彼女たち、ひいては自身の存在と魔法の存在が脅かすであろう人々に対して、一定以上の理解と善意を向けて付き合っている。
それに対し、キュゥべえは自身が接触した人々…魔法少女になる定めのまどか・さやかや、既に魔法少女として働いているマミ・杏子に対して、善意どころか、なんらの感情も持たずに接している(ように見受けられる)。
彼は彼女らに対して、とにかく魔法少女となるよう勧め、なった後は魔女殲滅のサポートを行なう、それ以上の対応は取らない。
それどころか、彼女らを魔法少女にするためには、口八丁手八丁でだまくらかすことも厭わない、というより、それが常態にさえ見えるのである。
利用するただそれだけのために魔法少女たちと接触しているように見えるキュゥべえだが、これは一体何故だろうか。
ここで、魔法・魔法少女・その敵対者について考えてみる。
実はこれらはどれも、「元々魔法少女たちが所属していた日常」に対する異分子、という点で共通している。
「さくら」にせよ「なのは」にせよ、それまで平凡な日常側にいた少女が魔法少女となり、魔法の力を用いて敵対者に対抗する、という点で共通している。無論「まどマギ」もだ。
この時、往々にして敵対者たちも魔法を扱う・あるいは魔力をもった存在であり(「さくら」のクロウカードや小狼たち、「なのは」のジュエルシードやフェイトなど)、魔法少女は異分子的な力を使うという点で、敵対者たちと全く同類である。
(わざわざ"異分子"などと言うのは、もちろん、それが平成に限らない仮面ライダーの殆ど、ひいてはヒーローモノの一つの類型と合致するからである。)
そして、ケロ・ユーノ・キュゥべえたち使い魔は、魔法少女に魔法の(異分子の)力を与え、少女たちを異分子側に引きずり込むという点で、そのスタンス―人々への善意の有無―に関わらず、物語上の機能として、共通しているのである。
(つまりは初代仮面ライダーにおけるショッカーであり、最新作オーズにおけるグリード・その代表としてのアンクなのである。)
さて、「まどマギ」第8話において、いくつかの設定が視聴者に開示されている。
一つ、キュゥべえの肉体はあくまで入れ物に過ぎずスペアがあること。
二つ、キュゥべえの真の名前は「インキュベーター」であること。
三つ、ソウルジェムを極限まで穢れさせた魔法少女は、最終的に魔女となること。
他にもほむらの特殊能力が時間操作であることが確定したなどあるが、ここではこれら3点を含めて、先の異分子に関する問題を考えてみよう。
魔法少女が魔女になる、このことは多くの視聴者が予想していた通りになった。
つまり、魔法少女とその敵対者である魔女は、質的な側面だけでなく、実際的にも等しい存在であるということである。
(すなわちショッカーの改造人間と戦う、悲しみの改造人間・仮面ライダーである。)
それらを作り出すキュゥべえは、魔法少女を生み魔女へと育てる存在と言える。
視聴者的に予想外だっただろう「インキュベーター」の語は、「孵化器」の意味であり、再三グリーフシードから魔女が「うまれる」とキュゥべえ当人が言及していたことを踏まえれば、彼が孵化させていたのは契約を迫った魔法少女ではなく、その結果やがて「うまれて」くる魔女に他なるまい。
契約の結果事実上の死人となってしまう(とされている)魔法少女は、契約の対象がうら若い少女である時点で、「人で無いもの」となってしまった絶望の果て、魔女となるのは確定的である。
(とあえて言おう。さやかの物語はそう言わんがために仕組まれている印象があり、それについて反論したい面もあるのだが、それはまた別の話。)
魔女を前提に置きそこから魔法少女の語を導き出す8話本編最後の台詞からしても、キュゥべえがその目的として希求しているのは魔女であると言っていいだろう。
(まさしく改造人間を生み出すショッカーの所業である。)
さて、ここで問題となるのは、「何故キュゥべえは魔女を生み出させるのか」と言う点である。
キュゥべえは魔法少女と契約し、彼女らを魔女にし、その魔女を魔法少女に倒させ、そのグリーフシードを食らう。何か奇妙に歪んだ食物連鎖が組み上がっているのがわかるだろう。
キュゥべえはその仕組みを循環させるために、魔法少女を作り、魔女を育てるのである。
ではさらに、それは何のためであろうか。仮にそれがキュゥべえの存在を維持するためのものとして、何故キュゥべえは存在し続けなければならないのだろうか。
キュゥべえが1体限りで無いことについては、ほぼ視聴者の予想の範疇であったが、興味深いのは今回初登場の3体目のキュゥべえは別固体ではなく、意識を共有している節がある点であろう。
ここから予想されるのは、現在まどかたちに接触している以外の(複数の)キュゥべえの存在であり、おそらくはそれらも同一の意識を共有しているのではないだろうか。
すなわち、肉体としての複数のキュゥべえを端末として統括する、精神・魂としてのキュゥべぇ(真キュゥべえとか言ってみる)の存在が考えられるのである。
当人たちからすればゾンビ化とされ否定される魔法少女のあり方を、肯定するキュゥべえからすれば、彼はほぼ不死の存在なのである。存在の維持の必要性はなく、キュゥべえは永遠に存在し続ける存在なのである。
これは、魔女を倒してグリーフシードを得られなければ、ソウルジェムが穢れて魔女化してしまう魔法少女―すなわち、魔女の存在の継続性の強固さと併せて、魔女と魔法使いの存在の永続性を高めている。
つまり、魔法少女がいる限り魔女は生まれ続けるし、キュゥべえがいる限りは魔法少女が生まれ続ける、そしてキュゥべえは事実上不死という、この魔女システムとでも言うべき極めて強固な循環の、中核にして根本、いうなれば統制者が、他ならぬキュゥべえである、ということなのだ。
(いうなれば、彼は仮面ライダー剣におけるバトルファイトの統率者・捩れたモノリスなのである。どちらも生み出したものが不明という点も共通する。)
そんなキュゥべえにとっては、自身が「魔法少女と契約し、彼女らを魔女にし、その魔女を魔法少女に倒させ、そのグリーフシードを食らう」ことは、あくまで人間が息をし食事を取るような、極当たり前の営みなのではないだろうか。
彼は存在し続ける限り、魔法少女を生み、魔女を産み続ける。自動的に。
それはおそらく、まどかにしても例外ではあるまい。
キュゥべえは彼自身の当たり前の営みとして、まどかを魔法少女にしようとしているだけなのではないだろうか。筆者はそんな気がしている。
たまたままどかは強い力を持っていただけで、まどかの力自体がキュゥべえの目的ではない、と考えているのである。
彼に目的は無く、強いて言えば、その当たり前の行為それのみが目的なのではないだろうか。
それが証拠に、まどかの力の強さが彼自身にとっても意外であることを、8話で当人が述べていたはずである。
逆に言えば、その意外な力こそ、キュゥべえの当たり前を、魔女システムを砕く、枠外からの力となりえる。
まどかが契約し、魔法少女となってキュゥべえの予想以上の力を振るうとき、そのときこそ、魔女システムが崩壊する、奇跡の到来の瞬間なのかもしれない。
ふむ、意外とライダーネタが多く含まれたなぁ。
まぁ理屈付けては見たものの、あくまで個人的な妄想的考察なので、あまり本気にしないようにw
ではまた。
次の更新はいつになるやら…w