チャンミンだったら結婚するだろうな
――『沼の中で不惑を迎えます。』の話に戻りますが、コミックスを読んで、印象に残っている場面はありますか?
第1話(「推し」が結婚するそうです)で、竹内さんが東方神起のチャンミンの結婚に衝撃を受ける場面がありましたが、私はチャンミンの結婚を知った時にショックはなかったかも、と思いました。

――黒沢さんもかなりの東方神起ファンとして知られていますが、それでもチャンミンの結婚は平常心で受け止められたのですね。
そうですね。私は東方神起の二人推しなのですが、チャンミンが私たちに幸せをくれたぶん、チャンミンも幸せになるべきだなとずっと思っていたので、ショックという気持ちはなかったです。
幸せな時間をたくさんいただいたので、幸せになってほしいと思いました。
――聖母のような心境ですね。東方神起のファンになったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
最初は、お仕事が一緒だったんです。日本テレビ系『Music Lovers』というライブを観る番組の東方神起がゲストの回に呼ばれて。その時私は東方神起のことを全然知らなかったんですが、出演させていただくことになったんです。そうしたら、ライブを観ているお客さんがすごく楽しそうで、生き生きとしていて。その時のお客さんの顔が本当に印象的だったんです。こんなに生き生きとしている人たちが好きなアーティストってどんな人たちなんだろうと、曲を聴いたりライブに行ったりするようになりました。そのうちどんどん好きになって、韓国や地方のライブにも足を運ぶようになって……。東方神起には本当に救ってもらいました。
――「救われた」というのはどんなところですか。
東日本大震災の時、エンタメってなんだろう、私がやっているような、適当に思ったことを歌うようなスタイルのお笑いは今必要ないんじゃないかと感じて、この先どうやって生きていこうかと思い悩んでしまった時があったんですね。そういう時にちょうど東方神起に出会って、いつも全力で一生懸命な姿に励まされたし、そんな彼らを「うわーっ!」と応援して元気になっている人たちを見て、私も元気をもらいました。
二人ともいつも全力で、ライブも気力体力のギリギリまでやってくれるので、そういう一生懸命な姿を見るたびに励まされるし、自分も一生懸命やろうと思います。
一度東方神起のライブを観た後に、新喜劇に出たことがあるのですが、「東方神起みたいにとにかく一生懸命やろう!」とやる気があふれて、一生懸命コケたら、間が変だったみたいで、スベりました。やっぱり私はアーティストじゃないし、一生懸命やるだけじゃ伝わらないものもあるんだと学びましたね。
今はファンにとっての「充電期間」
――東方神起の他に何かハマっているものはありますか?
ハマっているというほどでもないですが、最近は、あらためて芸人さんの漫才とかコントを見ています。実は今まで賞レースもあまりチェックしていなかったのですが、過去のM-1を見直したりとか。
あと、20年ぶりくらいにラジオも熱心に聞くようになりました。今、特に好きなのは、小藪さんと笑い飯さんの「土020」(MBSラジオ)です。他には東野幸治さんとかナイナイさんのラジオを聞いて、吉本の情報を入手しています。私のところには会社の情報が全然回ってこないので、芸人さんとかうちの会長(編集部注:吉本興業の大崎洋会長)が出ているラジオやヤフーニュースで、「あ、うちの会社って今こうなっているんだ」と情報収集しています。
――お笑いを改めて勉強中ということなんですね。現在は以前ほど推し活にのめりこんでいるわけではないのでしょうか。
冷めてしまったわけではなく、お休み中という感じです。コロナ禍でライブも行けなくなってしまいましたし、韓国にも行けませんから。
寂しい気持ちもありますが、ファンのみなさんにとっても、貯金をするいい機会ではないでしょうか(笑)。
大人になるとなかなか新しい友達ってできないものですが、私には東方神起を通して仲良くなった業界の友達が何人かいて、ライブなどに行けない今も、そういうファン友達と連絡を取り合ったりはしているんです。「韓国のネットにこういう情報が出ていたよ」とか。
活発な活動ができない今は、推し活の充電期間だと思っています。コロナとか、いろいろなことを乗り越えて、経験値を重ねた東方神起のユノとチャンミンのどんな姿が見られるのか……。さらに魅力的になったお二人を見るのが今からすごく楽しみなんです。
――何があっても見守り続けたい……ファンの鏡ですね!
東方神起には本当に助けられましたから。「ありがたい」という気持ちでいっぱいです。