山岡荘八歴史小説・徳川家康 第3巻 朝露の巻 天下統一まであと!23巻!
徳川家康〈3 朝露の巻〉 (山岡荘八歴史文庫) (1987/11) 山岡 荘八 商品詳細を見る |
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★山岡荘八歴史小説・徳川家康 第2巻 獅子の座の巻 天下統一への道まであと24!
ということで、徳川家康第3巻。
この第三巻では徳川家康が今川義元人質時代の終盤を描いて医いまして、竹千代から14歳になった時に松平次郎三郎元信と元服し、鶴姫とも結婚。 のちに元康と改名しています。
元信の元は今川義元も下から取っているようですが、信は信長の信からとったのではないかと義元にいろいろと疑われ・・・後に元康と改名。
第三巻でのメインは桶狭間の戦いですが、こちらは中盤から後半にかけてのこと。
前半は遂に針売り時代の日吉こと、木下藤吉郎が登場し、信長とご対面。
犬千代とともに、いろいろと信長パートも盛んに描かれています。
山岡荘八の織田信長や豊臣秀吉ではもっと詳しく信長と秀吉との出会いついて書かれていますが、面白いことに、作者は同じ山岡荘八なのに、この第三巻でも出会い方はまるで違っています。
これが山岡荘八の本を読んでいて一番面白いことなんですよね。
描かれ方が微妙に違う。でも筋は通っているところがにくいですね。
ということで、信長パートでは信長が濃姫が「産まず女」なので、3人の側室を一度に探しにくというところがこちらでも描かれています。
濃姫説はいろいろと言われているようですが、本能寺の変で一緒に死んだ・・・本能寺の変のあと30年生き続けた・・・
もともと仲が悪かったので子供を産まなかった・・・実際には存在していなかったのではなどなど・・・。
山岡荘八の織田信長では、信長よりも3つ年上の姉さん女房で、斉藤道三、マムシの娘として描かれていますね。
凄かったのが山岡荘八織田信長での本能寺変では信長の盾となり斬られ、信長ともに死んだという展開が凄く印象に残りましたね。
信長に嫁いで来るところから物語りは始まり、一緒に死んで終わるという・・・非常に重要な登場人物として描かれている濃姫。
信長の側室はこちらではお類と奈々と深雪の三人。
この三人の側室もかなりの美人だそうなんですが、信長の側近、犬千代と並んでいたもうひとり、愛智十阿弥というのがいまして、こちらは今でいうところのメッチャ、イケメンだったそうでして。
文章で表現されていますが、イケメンだが毒舌!?
「神々は時には人智では計りがたい創造をやってのける。愛智十阿弥もその計りがたい創造の一つであった。
外見はさながら、菩薩のごとく、その毒舌は悪魔のかざす剣に似ていた。
あでやかな美貌では、信長の側室たちは女性でありながらはるかに彼にはおよばなかった。
わずかに濃姫と信長の末の妹お市の容色がこれに匹敵しようか。」
と表現されていますので、非常に印象的ですね。
イケメンで毒舌なので、犬千代の怒りを買って、運悪く斬られて慙死・・・。
犬千代の逐電の助けをするためのお芝居で剣を振りかざして、誤って斬ってしまったという事故なんですが・・・これも、お芝居のつもりが愛智十阿弥の毒舌により犬千代が暴走・・・。
ということで、桶狭間の戦いですが・・・やはりここでも竹之内波太郎の活躍もありましたね。
木下藤吉郎も草履取りから台所奉行へと出世。
信長の命により、味噌買いに走るわけですが・・・こちらはやはり同小説、豊臣秀吉の方が詳細に描かれていましたね。
味噌買いと見せて、野武士集め・・・。
そして、桶狭間の戦いも御三家の小説では微妙に描かれた方も違っています。
一番細かく描かれているのはやはり織田信長の小説の中。
豊臣秀吉ではなんと!今川義元が首を切られるシーンを描いたのではなく、城で男どもが戦に出ているの最中、城を堅守している濃姫たちを中心に描いているということ。
こちらの家康バージョンでは信長バージョンほどではありませんが、今川義元が首を切られるシーンが描かれ、首をとった毛利新助の指を食いちぎったまま桶狭間の霧と消えた・・・。
というところで第三巻は終わりです。
・・・・あ!家康は鶴姫との間に、長女の亀姫、を長男、竹千代を生んでしました。
・・・ということで、ここでは信長は竹之内波太郎にのちのちのことを考えて、先鋒に出てきた元康との戦いを改めるようにと陰ながら助言していたんですね・・・。
やっぱり波太郎、なんかカッコいいです・・・はい・・・。
徳川家康、天下統一まであと!23巻!