RCSの記事の続きです。
[ トモキくん ]
1月12日RCS第2戦3歳チャレンジクラス
トモキ
予備予選:1位
本予選:1位
決勝:2位
トモキのデビュー戦は10月の晴海シーサイド。この時はよちよち走りで最下位近辺。それからチーム練習、親子練習に打ち込み、ぼちぼち脚力が上がってきて挑戦した12月のお台場シーサイド。わずか数十センチの差で親子の夢である準決勝進出を逃してしまいました。敗因は明らかにコーナーワーク。コーナーで大外を回った分、届きませんでした。
それから1カ月、徹底的にコーナー練習をやりました。またRCSを意識して、私をコーンに見立ててのUターン練習。インに切れ込みつつ小さい径で回れるよう練習しました。3月生まれのトモキに残された3歳戦は少なく、その中でも今回のRCSを最重要レースに位置付けて準備しました。
しかしレースの5日前、トモキはストライダーで転倒し顔をケガしてしまいました。外傷の回復は早かったのですが、前歯を打撲してぐらついていたのが心配で、レース参加の判断は前日まで持ち越しました。
レース前日、ホームグラウンドの公園にトモキと向かいました。まずはUターン、コーナーなどこれまでの練習のおさらい。最初トモキは恐る恐る乗っていましたが、徐々にスピードを出せるようになってきました。そしてスタート練習を兼ねたいつものタイムアタック。ダンボール箱とベニヤ板で作った簡易スタート板と、携帯電話に録音したRCSシグナル音を使用。これまでのレコードに近いタイムを出せたので翌日のレース出走を決めました。
トモキの体はレースに参加して問題ない状態に回復。しかし前歯のことがあるのでレースでの転倒が心配。フルフェイスのヘルメットを探してみたのですが適当なものは見つけられないままレース当日を迎えました。
レース当日、天候に恵まれ思っていたほどの寒さではありませんでした。
コーナリングが課題のトモキにとっては試走が非常に重要。私が追走し「インコース!」「Uターン!」など、これまで練習したことを促します。
これまでのコーナー練習は単コーナーのみ。S字では最初のコーナーでインを走り続けると次の逆コーナーでアウトに膨らんでしまいます。最初トモキは無駄が多いラインで走っていましたが、周回を重ねるごとに次のコーナーを考えたラインで走れるようになってきました。最近のトモキは舗装路でのスピードが上がって追走するのが結構大変。試走終了後、私は汗だく&息切れ状態になっていました。まさにバカ父(笑)
試走を終えて休んでいると、妻が興奮して「パパ、あれを見て!」と言ってきました。見ると試走選手で一人だけチンガード付きのヘルメットをしている選手がいました。そう、口を打撲したくないトモキにはあれが必要だったのです。その後ふと気がつくと試走を終えたその選手が私のすぐそばにいて、彼のパパと話しています。
私はいい年をして人見知りをする方なのですが、この機会を逃してはいけないと思ってそのヘルメットについて尋ねてみました。そのパパは私のいきなりの話しかけにも嫌な顔をせず、そのヘルメットについてとても詳しく説明してくれました。みんなケガをしてから安全性の大切さに気付くが、そうではなくケガをする前から安全対策をすべき。安全対策にまずお金をかけて、その上で余裕があればそこで初めて車体のチューンをすべきだ、と熱く語っていただきました。まさにトモキはケガをして初めてチンガードの必要性に気がつきました。まだ本当に大きなケガをする前に気づくことができて幸運だったのかもしれません。
そしてヘルメットのチンガードについたキズを見せてくれて「うちのオウスケも、このヘルメットにしたあと派手に転倒して、これじゃなかったら大ケガしていました」と説明してくれました。ん、うちのオウスケ???
私は恐る恐るそのヘルメットをかぶっている選手のゼッケンを見ました。なんとその選手はワダオウスケ選手だったのです!
私は無謀にも世界チャンプのパパに話しかけて、長時間話し込んでしまったのです。レース前の貴重な時間を使わせてしまったことをお詫びし、貴重なお話をしていただいたことにお礼を言いお別れしました。実はワダ家と我々は駐車位置が向かい合わせで、その後も何度かあいさつ。幸運な出会いに感謝しつつ翌日自転車屋ビッちゃんに電話してヘルメットを注文しました。
さていよいよレースです。まずはグリッド抽選。トモキが「1」と書かれたピンポン玉を引きました。今回グリッドは右から順に1→12番。長い直線の後ゆるい左カーブの直後に大きく右にカーブ。この第2コーナーが実質的な初コーナーと言えます。この第2コーナー入口は12番グリッドの延長線上にあり、1番グリッドはコーナー入口までの距離が一番長い、不利と思われたグリッド。さすがトモキのクジ運の悪さは父譲りです(笑)
今回はまず予備予選を走り、その着順で本予選のグリッドを選択。組み合わせを変えて走る本予選の2位までが決勝進出というシステム。
決勝は人数にして約1/4の狭き門。強豪がチャンピオンシップに流れているとはいえ、これまでレースで準決勝進出経験の無いトモキにとっては正直厳しいなと思いました。しかし本人は「2回とも勝つ!」と珍しく強気。ここで親が弱気になってもしょうがない。「よーし、勝ってこい!」と送り出しました。
まずまずの好スタート。抜け出すことができたため左に切れ込み、実質的な初コーナーである第2コーナーを余裕のリード、いいラインでクリア。バックストレッチではかなりの大差になっていました。直線でも脚色が衰えることなく大差のままゴール。うれしい初勝利になりました。ゴール後トモキに抱き着き勝利を称えました。想定外の大差勝利に、喜びよりも驚きの方が大きかったです。
歓喜の初勝利でしたが、次の本予選で2位に入らなければ決勝に進めないルールです。そしてスタート地点前で本予選開始を待っていると、トモキが驚くべきことを言い出しました。
「ボク、もう勝ったから次のレースは走らない!」
出たーっ!トモキの天の邪鬼が今回も発動です(笑)
これが嫌々ストライダーをやらされている子どもの発言なら重く受け止めるべきところですが、三度のメシよりストライダーが好きなトモキだけに意味不明です。
そうこうしているうちにママが勝利を称えにトモキのところに来ました。ママに褒められて機嫌を直したトモキは大人しく本予選に向かいました。やれやれ。
さて予備予選で1位だったトモキは好きなグリッドを選べます。予備予選での経験が活かせる1番グリッドも考えましたが、やはり後悔しないためにも初志貫徹。コーナー入口までの距離が短く壁からの圧迫も受けない10番グリッドを選びました。
あれだけイヤイヤ言っていたトモキですが、いざスタート台に乗ると完全にレースに集中します。なら最初から素直に走れよと(笑)
本予選もまずまずのスタート。抜け出したトモキはゆるやかに右に切れ込んでいきました。トモキとは逆サイドの1番グリッドを選んだサトウソウスケ選手は左に切れ込んできてコーナーへの侵入争い。わずかにトモキが先を取ってコーナーをクリアしました。バックストレッチ通過も二人は僅差。トモキは直線でも最後まで抜かせず僅差のままゴール。なんと宣言通りの2連勝をやってのけました。
私はゴールしたトモキとハイタッチ。これで夢の決勝進出です。
スタート地点で決勝のスタートを待っていたら、、、そう、またあれが出たのです。
「ボク、2回勝ったからもう走らない!」
次は親子の夢だった決勝なのだということを説明しても「やだ、もう走んない」と聞く耳を持ちません。おそらく甘えているのでしょう。教育的には「じゃあもう走らなくていい」と言って突き放すべきなのでしょうが、さすがに夢の決勝を目前にしてそれはできませんでした(笑)
この危機もママが到着してなんとか収拾。このまま棄権になるんじゃないかと本当に肝を冷やしました。
決勝のグリッドは抽選。トモキはまたもや「1」と書かれたピンポン玉を引きました。また不利な(と私は考える)1番グリッドかよ!と思ったら、これは選択する順番とのこと。1番目にグリッドを決めていいということで、迷わず10番を選びました。ソウちゃんパパも同じ考えなのか、ソウちゃんが9番グリッドに入ってきました。チームメイトで並んでの決勝出走。なんて素晴らしいことなのでしょう。2人で(同着)優勝しようぜ!と声を掛け合い、スタートとなりました。
3戦続けて決勝でも良いスタート。何度もスタート練習をした甲斐がありました。しかしさすがに決勝メンバー。予選とは違って激しく競り合いながら、ホリコシリュウノスケ選手、イマイトウヤ選手に次いで3番手でコーナーへ。これまでの2戦と違って大きく外を回らされました。その後テクニカルコーナーにてトモキはイマイトウヤ選手をパス。2人のバトルを尻目にホリコシリュウノスケ選手はバックストレッチでセーフティリードを確保、そのまま余裕のゴールとなりました。2番手以下は接戦でしたがトモキは踏ん張って2位でゴール。ソウちゃんはバックストレッチで6番手ながらも直線で追い上げて4位でゴール。
ゴール後ソウちゃんが「2番も4番も関係ない。1番にならなきゃダメなんだ」というようなことを言っていました。うん、全くその通りですソウちゃん(笑)
私は今回、決勝進出は厳しいのではないかと考えていました。そして決勝出走においても、5位に入ってポイントをゲットできれば御の字と考えていました。表彰台なんて考えてすらいませんでした。
しかしトモキはそんな父の想定の遥か上を行く結果を自分の力でもぎ取ってきました。「こどものちから」のすごさを思い知らされました。チャレンジクラスとはいえ、50人以上がエントリーしたクラスでの準優勝は褒めてあげていいと思いました。
そして表彰式。ここでもトモキの天の邪鬼を恐れていたのですが、素直に壇上に上がり表彰台の上でもご機嫌でした。後で聞くと本人はとてもうれしかったみたいです。
大勢の前で表彰台に上がるだなんて経験はなかなかできません。少なくとも私にも妻にもそんな経験はありません。今回トモキが得た自信と経験は、本人にとってとても大きなものになったのではないでしょうか。
そして頂いた銀メダル。これはトモキが初めて自分の力でゲットした素敵な宝物。首にかけた銀メダルを見せる時のトモキの誇らしげな表情が忘れられません。
ただ表彰台と言っても、同じ日、同じ場所、チャンピオンシップでしのぎを削っていた強豪達とは戦っていません。
チャレンジクラスの表彰台にどのような意味があるのか、レース後しばらく私は考えていました。
私が思ったのは、この表彰台はRCS主催者様からのプレゼントではないか。ここで結果を出して自信をつけてチャンピオンシップに挑戦していく。そんなステップアップの道を用意してくれたのだと思いました。
次戦、無謀かもしれませんがチャンピオンシップに挑戦したいと思います。もちろん私でなくてトモキがですが(笑)
我々親子にとって2014年1月12日は忘れられない日になりました。RCS主催者様スタッフ様、チームメイトの皆さん、フェアな戦いを繰り広げたライバルの皆さん、本当にありがとうございました。
最後に後日行った敗因分析。
今回レースの動画はバックストレッチの固定位置から固定アングルで撮影。そのためペース分析が可能となりました。
トモキは予備予選にてスタートからバックストレッチの黒いラインまで30.7秒で到達。スタートからゴールまでのタイムは約42秒でした。撮影位置からゴールは遠いのでゴールの瞬間は特定できず、大よそのタイムになります。
本予選ではバックストレッチまで30.9秒、ゴールまで約43秒でした。2戦ともタイムがほとんど変わらず、トモキが全力を出して真面目に走っていたことが示唆されます。
決勝ではトップのホリコシリュウノスケ選手がバックストレッチまで30.1秒、ゴールまで約42秒。トモキがバックストレッチまで33.0秒、ゴールまで約44秒でした。
トモキは予選より遅いタイムですが、これは最初のコーナーで大きく外を回ったのと、あとはイマイトウヤ選手をパスする際にもライン的ロスが生じたからだと思われます。これらの影響がバックストレッチでのトップとの大差になってしまったわけで、まさに勝負は最初のコーナーで決していたと言えます。これぞレース、という感じですね。スタートから最初のコーナーまでの走りが非常に重要であることを再確認できました。
ホリコシリュウノスケ選手の走破タイムはトモキの予選とほとんど変わりませんが、これは最後の直線で流していたから。仮に最初のコーナーでトモキがインを攻めてマッチレースに持ちこめたとしても、最後突き放されていたでしょう。今回は完敗でした。トモキと同じ3月生まれなので、またどこかのレースで戦える日を楽しみにしています。優勝おめでとうございました。
ということで、
チャレンジクラスで2位でした。
長文にお付き合い頂き、ありがとうございます。まだ③に続きます。
Text by トモキくんパパ
ブログ担当 : ショウパパ
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