小沢一郎民主党代表の、インド洋給油は違憲で地上部隊派遣は合憲という理屈が、どうもいまいちよく分からないという声がある。私は、細部はともかく、基本的には小沢と同じ意見なので、彼に成り代わってQ&Aスタイルで問題を整理してみよう。
Q1:小沢さんは、アフガン戦争は「米国の自衛権発動による戦争であって、国連にオーソライズされていない」という趣旨のことを言っていますが、01年9月12日に出された国連安保理決議1368[資料1]では「テロ活動によって引き起こされた国際の平和及び安全に対する脅威に対してあらゆる手段を用いて闘うことを決意し」と述べ、さらに「憲章に従って個別的又は集団的自衛の固有の権利を認識し」とも述べているので、テロの直接の被害者である米国が個別的自衛権を発動してアフガン戦争つまりOEF(不朽の自由作戦)を始めることを国連が予めオーソライズしていることになるのではないですか?
A1:問題の焦点は、安保理決議が「明示的に」米国の具体的な行動すなわちOEFを支持しているかどうかです。決議1368は、9・11の翌日に取り敢えず国連安保理として犠牲者への哀悼の意を表し、一般論として、国連がテロとの戦いを一層強化する決意を示したもので、まだ犯人像が皆目分かっておらず、従って米国が具体的にアフガニスタンのタリバン政権を相手に戦争を起こして攻め込むという作戦を決めているわけでもなく、またそれについて国連に支持するよう要請しているわけでもない段階です。
大体において趣旨が合っているからいいじゃないかと思うかもしれませんが、そういうものではないのであって、この決議でも触れているように過去に国連は国際テロ防止条約やテロ防止の安保理決議をいくつも採択していて、それと趣旨が合うなら加盟国が何をやっても構わないということになってしまい、国連憲章の紛争の平和的解決の大原則はたちまち崩壊することになります・・・
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