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 10日の衆院予算委員会で本格論戦が始まったテロ特措法を巡る論議は、すでにこの段階で守勢に回って弁解がましいことを並べ立てている政府・与党側の答弁が次々に綻びを見せている有様で、これでは新法が参院で否決後に衆院に戻っても、公明党の賛成を得て3分の2で強引に採択して、海上自衛隊のインド洋・ペルシャ湾での「無料ガソリンスタンド」の活動を継続することは相当難しいのではないか。


 政局的に鍵を握るのは公明党で、戦術論のレベルで言えば、9月12日、安倍辞任直前の記者会見で同党の北側一雄幹事長が「確かに(新法が衆院に送り返された場合の)再可決の制度はあるが、行使するか否かは政治判断だ。世論の動向を勘案して判断していく」と語っているのは、自民党にとって相当なプレッシャーである。「世論を勘案して」というのは、平和志向の強い創価学会婦人部・青年部の反発を無視できないという意味と同時に、3分の2の数の力による再可決が世間の非難を浴びて政局騒然、早期(年末・年始)の解散・総選挙に転がり込むのを避けたいという意味でもある。


 戦略論のレベルで言うと、民主党の小沢一郎代表が主張して止まない、「集団的自衛権を発動して米国の(私的)武力行使に協力するのは違憲だが、集団安全保障の原理に立って国連の(公的)武力行使に参加するのは合憲」という論理は、小沢が新進党時代に、元国連職員で公明党出身の東祥三衆議院議員(当時)をブレーンとして作り上げたもので、本来、公明党はこれに反対することは出来ないはずなのだ。逆に言えば、民主党は裏から公明党に手を回してこの問題での共闘を働きかけ、自公間の離反を画策することが出来るかもしれない。


 対民主党のみならず対公明党にも説得的な議論を展開しなければならない政府・自民党だが、それにしてはこの問題への対処はお粗末で、ほとんど支離滅裂に近い・・・



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