安倍自民党惨敗で、いよいよ「政権交代」の背中が見えてきた民主党。実はここからが重要だ。民主党は遅くとも来年4月までに安倍政権を解散・総選挙に追い込んで行くだろうが、これは党分裂含みだ。秋の臨時国会の最大テーマ「テロ特措法の延長」は、デッドラインが11月1日。民主党は衆院から参院に回ってきた延長法案を吊るし(審議せず)、2ヶ月放置して「みなし否決」。自民党はこれを衆院に差し戻して3分の2採決で成立させるだろう(このスケジュールを逆算すれば臨時国会審議は8月下旬からになる)。
この過程を民主党は1枚岩で乗り切れるのか。党内には「米軍との集団的自衛権」を是とする〝松下政経塾〟グループ(反小沢)がいる。「テロ特は必要」という勢力を、執行部は「政権交代のため」と押し止めることができるのか。つまり、懸案だった党の安保・外交問題の統一を〝走りながら〟まとめて行かなければならない。
当然、自民党はそこを突いてくる。そればかりか民主党内に手をつ込んでくるはずだ。自民党内でも求心力を失った〝美しい国〟路線に公然と批判する勢力が動き出す。
参院選挙前、民主党トップ3人のうちの1人が自民党の反安倍幹部と会合したとか、小泉が前原グループの幹部と接触したなんて情報が信憑性ををもって伝わっている。水面下では解散・総選挙に向け、自民、民主が入り乱れて動いているようだ。民主から飛び出した新党ができるのか、それとも自民党内反安倍勢力が民主と連携するのか。永田町は政界再編含みの解散総選挙へと動き出した。1993年に自民党を飛び出した小沢代表の政治的総決算が試される。
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