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 混迷から自滅へと転がり込んだ安倍政権の呪われた軌道をキッパリと断ち切って出直すことがまず第一の使命だというのに、17閣僚のうち横滑りの2人を含めると15人、旧党3役のうち1人が再任という、何のための政権交代か分からないような福田内閣のスタートである。裏を返せば、安倍前首相の国会会期中の職務放棄という前代未聞の異常事態の中で、なぜこんなことになったのかの総括も、その上に立って組織と路線をどう再建するかの方策も、まったく議論することなく、取り敢えず首だけをすげ替えるしかなかったわけで、その意味では新内閣は、福田自身が名付けた「背水の陣内閣」と呼ぶよりも、安倍が対処しきれなかった諸困難を整理されないまま引き継がざるを得なかった「安倍不始末の尻ぬぐい内閣」と呼ぶにふさわしい。前途は多難で、そのいくつかを乗り越えたとしても、遅くとも来春には行われる次期総選挙までしか命の保証はない、事実上の「選挙管理内閣」であり、しかもその選挙で民主党に政権を奪われる公算が大きいことを考えれば「政権明け渡し準備内閣」とも言える。


●すげ替え効果

 首のすげ替え効果は確かにあって、いつも通りのご祝儀相場的な内閣支持率上昇に加えて、今回は小泉のドタバタと安倍のオロオロで騒々しい6年半を過ごさなければならなかった後だけに、福田の年格好と一見穏和な物腰に国民が何かホッとするものを感じて、「何かをやってくれそうだ」という積極的な期待感というのでなく、「これでしばらく落ち着いて過ごせそうだ」という消極的な安堵感を抱いているという事情がある・・・



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