一方、小泉路線を支持するグループにとって安倍総理の自爆は大いなる誤算だった。安倍政権は小泉路線を継承する政権である。小泉グループはいわば主流中の主流であった。さらにいざという時のためには小池百合子氏を常に閣内に置いて後継とする構えを見せてきた。ところが小池氏は守屋防衛事務次官の更迭問題を巡って官邸と衝突、閣外に去ることになる。さらに麻生幹事長は就任と同時に反小泉の政治を行うことを宣言して安倍総理を取り込み、小泉支持勢力と敵対することになった。
そうした危機的状況にあって小泉支持勢力は総裁候補を立てることが出来なかった。最後の切り札となる小泉再登板も、それを求める署名が40名に満たず、情勢を見極めた小泉氏は福田支持を表明せざるをえなくなった。そのことで長年小泉氏を支えてきた飯嶋勲秘書は辞表を提出した。小泉氏はすでにかつての小泉氏でなく、参議院選挙の惨敗と安倍政権の自爆によって小泉政治も過去のものとなった。
自民党9派閥中8派閥に支持された福田氏が総裁選挙に勝利する事は初めから決まっていた。しかし対立候補が出なければ自民党は古い派閥政治に戻ったと批判される。総裁選は福田と麻生の一騎打ちを演出する必要があった・・・
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