A病院で仕事の日、病棟で入院患者の検査をアサインされるとランチと仕事終わり以外ほとんど同僚と顔を合わせることもないのだけど、検査室にアサインされるとまあ賑やか音符


検査室では外来患者とトランスポーターが運んでくる入院患者の両方を担当することになる。心エコーの検査室が賑やかな原因…それは秘書のマリアである。英語で顔が広い人のことをMayor(市長)と呼ぶのだけど、彼女がまさにそう。そして初対面の患者とも気さくに話し、よく爆笑している。検査が終わったあと、トランスポーターが来るまでに時間がかかることもあるのだけど、彼女のお陰で遅いことに苛つく人が少なくてとても助かっている。


今週は二日立て続けに入院患者に口説かれていた爆笑1人めは70代後半のお爺ちゃん。シングルなのか、どのくらいの期間シングルなのか、と熱心に口説いておりました。マリアはジョークで受け流していたけど、その患者が去った後に廊下でトランスポーターを待っていた別の患者が「あのお爺ちゃん、ディナーに誘ってたけど夜10時過ぎまで起きてるの無理そうだよね」とジョークを飛ばし、会話に参戦。さらにはドクターにも「お、マリア、シュガーダディ捕まえたのか?」とイジられまくっていた笑い


翌日、廊下で検査の順番を待っていた入院患者とまたもや会話を弾ませるマリア。同僚のメアリーが検査室に連れて行った後、「僕の番号、マリアに渡してくれないかな。大事にはしたくないからトランスポーターが迎えに来てから渡してほしい」と紙切れを渡され、その後も「彼女はとてもゴージャスだ」とか色々言っていたらしい爆笑メアリーがそのことをマリアに伝えると、それを聞いていたトランスポーター待ちの患者の女性が「あら、いい人そうだったじゃない。どうするの〜?」と興味津々。マリアは「患者となんて規約違反じゃないの? 考えたこともないわよ」と言っていたけれど、二日連続で口説かれているマリアが可笑しすぎて1日中その話で持ち切り。噂はカテーテル室にまで広がり、ナースが「あら、この患者知ってるけど良い人よ。デートすればいいじゃない。規約違反?退院したら関係ないわよ!!!」と言っていた。


デートしてる時間なんてない、とマリアは言うけれど、これは本当。6年前に旦那さんを交通事故で亡くし、彼女の両親はすでに他界。義理の家族も助けてくれない状況の中で2人の子どもを育て、さらに下の子は筋ジストロフィー症を患っているため、セラピーやクリニックへのアポイントメントが頻繁にある。病院で働いたあと、夜の9時まで2つ目の仕事をしている。


私だったら疲れ果てて1日中不機嫌になりそうだけど、そんな状況でも明るくてポジティブなエネルギーに溢れているのが凄いな、と思う。そして化粧やネイルもバッチリでいつもキレイにしている。私なんていつもギリギリまで寝てて最後に化粧したのっていつだっけ...というレベル昇天


ダイヤオレンジダイヤオレンジダイヤオレンジ


凄いと言えば、この前心エコーの検査中に脳神経内科のドクターが入ってきて患者さんのアセスメントを始めたのだけど、職業を聞かれたときに「〇〇高校で科学の教師をしている。期間?12年だね。その前は小児科医をしていて、最初は良かったのだけど段々仕事が苦痛になってしまって。以前から教えることに興味があったから転職したんだ。今は幸せだよ」と言っていてドクターも私もビックリよ滝汗世の中お金だけじゃないと分かっていても、勇気のいる決断よね。