PUNCH OF THE DEAD・完全版・其の16 | the-caressoの小説(もどき)

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Rock&Punkバンド The Caresso(ザ・カレッソ)ギターのウチダが書く小説(もどき)で御座います。

PUNCH OF THE DEAD

 

16.バイバイベイビー

 

P&J号は原宿方面に向かっていた。

 

3人の埋葬場所は、代々木公園隣の陸上競技用グランド『織田フィールド』に決まった。

 

そこは土方が高校で陸上部に入ってた時に使用していた練習場所だった。

 

周りには代々木公園野外ステージもあり、かつては、原宿ホコ天としてたけのこ族、ロックンローラー、そして様々なバンドで溢れていた放射23号線沿いにあるという、土方の大好きな場所だった。

 

皆も賛成し、織田フィールドの真ん中に埋葬する事になった。

 

織田フィールド前に車を止めて鉄柵で囲まれているグランドに入った。

 

早朝のグランド内にリビング・デッドは一人もいなかった。

 

フィールドの真ん中に、土方と高橋、横溝が軍手をし、シャベルで大きな穴を掘った。

 

そして15分後、萩原が丁寧に三人を寝かせた。

 

「バイバイベイビー、ハニー、スーちゃん、本当にごめんね。オレは一度キミたちが死んだ時一緒に死んだよ。この先は...グフッ、グフッ..」
萩原は涙で言葉を詰まらせた。

 

全員で穴を囲み、目を閉じて、手をあわせた。

 

その時、低い呻き声が聞こえ、全員が目を開けた瞬間に穴からスーちゃんの右手が伸び、ケーちゃんの足を掴んでいた。

 

「キャァァー!!」

ケーちゃんは叫び声と共に穴に引きずり落とされた。

 

銃弾に倒れたはずのスーちゃんは、心臓が止まる前にリビングデッドに噛まれていたのだった。

 

「ケーちゃんっっ!!」
佐々木は叫びながら穴に飛び降りていた。


佐々木は必死にスーちゃんとケーちゃんの間に体を入れ、なんとか二人を引き離した。

 

この隙に土方と高橋が慌ててケーちゃんを引き上げた。

 

下では佐々木とスーちゃんが激しくもみ合っている。

 

「オイコラッ佐々木ぃぃ!!オレのハニーとベイビーを踏みまくってんじゃねぇーバカヤロウ!!」
萩原が泣きながら怒鳴る。

 

「うわぁーっ!んな事言ったって、この娘、力あるー!噛まれそーっすよっオレ!うわぁー!」
佐々木が必死にスーちゃんの顔を押さえながら叫ぶ。

 

「い・・いつか見たな、この光景・・・。」
と横溝が呟く。

 

「お・・おう。何時ぞやの車屋の小オヤジvs直、だな・・・。」
土方が空を見上げる。

 

「おいっ!てめぇら!またかよっ!バカ!バカだろ!!助けろっ!撃て!撃て!」
佐々木がさらに叫ぶ。

 

「だからおめぇ!直!!てめぇ!踏むな!踏むなって言ってんだこの野郎!あぁっ!ハニー!ハニーの顔っ!顔っ!顔踏むなぁ!」
萩原もさらに泣きながら怒鳴る。

 

女の子三人はこの光景に唖然として立ちすくんでいた。

 

「ふぅ・・・。じゃぁ、そろそろオレの出番って感じ?」
と高橋がゆっくりとハンドガンを構えた。

 

「はーい!佐々木くん!がんばってもっと遠ざけてー!はーい、撃ちますよぉー!せーのっ!」

 

『バンッ!!』

 

弾丸は見事にスーちゃんの頭に命中した。

 

返り血を浴びた涙目の佐々木が座り込み、呟いた。

 

「お、おまえらよぉ・・・。し、死ねよ・・。」