夕方以降のそこは出勤前のホステス達やボーイ達でで溢れていた。
置いている商品も他とは少し違う。
例えばストッキングが多かったり、生理用品やコンドームがどどーんと多種類置かれていたり。
ソーセージとかチーズもよく出るはず。
そんなとこで買った物を盛り付けて1000円とかで出すからね。
あとは当時流行ってたVAAMとかエナジードリンクね、これもよく出る。
店のオープン前に姉さん達とコンビニ行くとよくレジ前で小さな諍いが起こった。
外国人の女の子たちと。
彼女達は一人並んでいると、あとから来た仲間もその一人の横に一緒になった。
いわゆる横入り。
しょっちゅうあったから、悪気はなくてそういう文化なのかもしれない。
それでも姉さん含む後ろに並ぶ人達は怒る。
おいこら!って中々な喧嘩口調で。
すると彼女たちも負けじと言い返す。
ヒートアップするとお互い違う言語で罵り合うけど、みんな出勤を控えてるから口は動かすけどサッサと帰る。
啖呵切って捨て台詞吐いてさっさか帰る。
だから喧嘩はしょっちゅうだけどゲップみたいなもんであとは引かない。
姉さん達はフィリピンの女の子達のことをピーナと呼んでた。
差別用語なのかな。
ピーナは並ばねえんだよって台詞をよく聞いた。
他にも韓国人や中国人と喧嘩してた。
ある日、よく行ってた沖縄料理居酒屋で、そんなピーナの子と席が隣になった。お互い酔ってたし仕事終わりで気も抜けてて一緒に飲んだ。
ナツコさんはやめとけよって言ったけど、その子とは同い年と判明して嬉しかったから。
彼女はよくあるパターンで、国に家族がいて、送金しているとのこと。
同い年とは思えないほど大人っぽくて奇麗で色っぽい彼女は、私よりずっと低い給与で働いてる。
いつかは国に帰って家族と暮らしたいと言っていた。
私の家族が電車で会える距離にいてお金にも困ってないのに、なぜ私が離れて暮らすのかということを聞かれた。
色々理由はあったけど、彼女を納得させる理由は見つけられなかった。
その後もそのピーナの子をよくコンビニや街頭で見かけたが、相変わらず姉さん達とは顔を合わせると喧嘩していたので、私から話しかけることは余りなかった。