夜更けのバー
カウンターの隅にその男は陣取っている
時折グラスの中の氷を
弄びながら
静かに目を閉じる
マスターに次の注文を済ませるとおもむろに
煙草をくわえた
マスターは黙って頷き
バック棚から
ウイスキーとドランブイを取り出す
大降りの氷がグラスに
放り込まれ
二種類の液体が混ざりあう
ミシッと氷の割れる音に
男は目を開ける
「今日の俺には、錆びた釘が丁度いい」
そう言ってグラスに口を
つけた
「…マスター、ありがとよ。ウイスキーはアイラモルトにしてくれたんだね」
黙って頷くマスターに
男は少しだけ笑顔を見せた
(ラスティ・ネイル)
ウイスキー30ml
ドランブイ30ml
氷を入れた
オールドファッションド
グラスに注ぎ
ステアする
ラスティ・ネイルとは錆びた釘という意味