蠍が砂漠で独りぼっち
今日も砂の中で考えごと
生きろと叫ぶこの心
食べろと叫ぶこの心
嫌だと叫ぶこの心
迷い続けるこの心
蠍は砂から飛び出した
蠍は獲物に襲いかかった
獲物を捕らえて毒針を刺す
苦しむ様が蠍を襲う
違うんだ
やりたくてやっているんじゃない
こうしないと僕が死ぬ
ごめんね
許して、なんて言えないね
蠍は命を食べて命を繋いだ
悲しみながら命を食べた
どうすればいいか
解らないまま命を繋いだ
このままここで朽ちるなら
このままいつか朽ちるなら
このまま無駄に生きるなら
蠍は砂になりたかった
それでも
心がそれを許さない
生に縋る心
死を恐れる心
何かを求める心
死を見るのが辛かった
死を作るのが辛かった
死を迎えるのが恐かった

蠍は砂漠を歩いていた
鳥が一羽
死んでいた
蠍はその死を受け入れた
自分が殺したわけではないから
受け入れた
喜ぶことなく
悲しむことなく
蠍は食べた
それは命か解らずに
ただ蠍の命を繋いだ
蠍は羽を見つめてみた
砂にまみれた羽は
風になびいていた
飛べない羽は
蠍に死を語っていた
蠍は自分を嫌悪した
どんな死も
受け入れるべきではなかったと
風が
羽だけを空に舞わせた
そこに生はなかった
そこに喜びはなかった
蠍には生きる理由など解らなかった
蠍の生にあったのは
孤独と
悲しみ
だから
蠍はその毒針を
自分に突き刺した。












それは砂漠をさまよい
蠍の死骸を見つけた
それは蠍をくわえると
子供の元へ帰っていった…