ここ何年かは万年筆かゲルボールペンで書くことが多かった。万年筆以外筆記具ではないだろうくらいに思っていた。これがライフログを書くようになってシャーペンで書くことが増え、勉強のスタイルが書くスタイルであることも加わり、万年筆が2本と本を読んでいる時にチェックを入れる赤のゲルペン以外はシャーペンに入れ替わった。

 

入れ替わりにも二段階あり、当初はライフログに色芯で見やすくしていたため、一線級のお気に入りシャーペンを投入していた。ここへ勉強用の書き殴るシャーペンを選ぶという状況が絡んできて、色芯を入れていたシャーペンでテストすることにし、当然のごとくすべて合格で、そのまま勉強用にスライドした。

 

良いシャーペンはかならず数字に出る。売れる。自分の好みを評価軸にする時点で認知が歪んでいるので、世の中の人はもっといいものをより安く使っているという現実を知ることもなく更に認知が歪む。たとえば、パイロットのS20とS30をzonで比較すると、圧倒的にS20のほうが星の数が多い。使ってみて気がつくのはS30の自動芯出し機能があるがゆえに、ガイドパイプが紙に接して邪魔だということーー筆触以外の触は思いの外煩わしいーー、ガイドパイプが動くたびカチャカチャとうるさいということだ。デフォルトで使うという暗黙の前提で評価すると、確かにS20のほうが1,000円安くて性能がいい。世間の判断は正しい。

 

しかしである。文房具をデフォルトで使うことが正解ではないと言う前提で選ぶようになると、シャーペンの性能を最大限発揮するよう手を加えた状態で評価するようになる。S30に関しては上の課題を取り除いた状態で使えばどうなるかを実装することになる。1つ目の自動芯出し機能が書きづらいというのは特に細工はいらない。芯が減れば他のシャーペンと同じようにノックして芯を出せば済む。2つ目のガイドパイプがカチャカチャうるさいのは黙らせれば済む。先端にグリスを塗り、先端部を外して内側からグリスを塗る。綿棒で余分なグリスを拭く。2分。ようやくS20とS30を比較できる。

 

S20が18gに対してS30が21gだ。ペン先の安定感でS30の勝ちである。金属部分のマットな仕上げと光沢のある仕上げは好みでしかないので考慮しない。ただし、あくまでS20とS30の比較でしかなく、S20もセレクションに残っているくらいには使いやすいと評価している。

 

orenzの場合、自動芯出し機能の出来栄えが明暗を分ける。成熟しないおじさん大好きorenzneroはどうしても一画ごとにチクチク音がする。うるさい。S30と同じようにグリスを塗ってみたが効果がなかった。いっぽう、orenz AT DUAL GRIPはデフォルトで合格だ。グリップの部分のつぶつぶが角形軸を邪魔するが、気にならない。指先の末梢神経は敏感なので削ってもいい。

 

今週、新しい仲間が二つ加わった。

一つはコクヨのハリナックスプレスだ。

https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/sl-stapler/press5.html

ハリナックスは初代からオフィスで使っているが、評判がはかばかしくなく、ホッチキスやゼムクリップのポジションを奪えない。自分だけの書類に細々と使うのみだ。半年がかりの案件は髪が増えるので、ホチキスもゼムクリップも束の厚みを無用に厚くする。

家でもA4に書くことが増えてきたので、綴るときにホッチキスは嵩張るのが嫌だしとハリナックスプレスを取り寄せた。使ってみてまず、ハリナックスプレス初期と閉じる瞬間の感触が変わっていて、少しカチッと音も出た。また、コーナーを綴るときに綺麗に波々のプレスができた。初期のものはこれがうまくいかず2回綴ることが多い。

 

もう一つは東プレのREALFORCE Mac用日本語配列フルキーボードだ。

HHKBをしばらく使っていて、打鍵音は静かな方がいいなと考えが変わった。そしてキーボードにテンキーがないのはちょっと作業効率が落ちるなとわかった。テンキーパッドがパソコンに接続するまでの待ち時間が積み重なると、ばかにならない。そして、HHKBは接続が切れたときの再接続に時間がかかる。ボタンも奥の側面のボタンを長押しというのが、デザイン上しょうがないのはわかるが。やっぱりキーの配列がMacと同じというのはアドバンテージだ。ただでかい。3割増だ。そして意味不明なくらい重い。その割にはキータッチの深さを0.8mmまで軽く変更できる。このへんの痒いところに手が届くユーザー・インターフェイスはハイエンドな製品ならでは。

 

目下の最大の課題は、ブログの原稿を印刷してノートに貼るときの手数の軽減で、4辺と中央をカットしA5ノートにのりで貼る、というのが物凄く面倒くさい、どうにかしたい。几帳面さを捨てればなんとかなりそうだが、貼ったときの対称性を捨てるかというところがネックになっている。そう、3辺と中央をカットし、ハリナックスで留めるとかなり時間を短縮することができる。