3月放映「光る君へ」の感想です。

 

大きな政治的背景として、花山天皇の退位と藤原兼通の摂政就任がありました。

 

藤原道長も父兼通の権力掌握につながるように、源倫子、源明子を妻にする決意を固めます。

 

これは無視できない道長の行動です。

 

道長のまひろ(紫式部)への心情は、表現されてはいるものの、現実の生活はまひろを妾としても、迎えることはなかった(=まひろがそれを望まなかったから)のですから、それが現実としか言いようがありません。

 

まひろが道長と一夜、結ばれたというロマンがありました。これもまた現実です。まひろと道長との間に、愛情があることは確かです。

 

しかし、その前に、まひろにも道長にも、それぞれに生きている生活や環境があります。そういういろいろなものを背負って

生きていかなければならないのが人間です。

 

だから、今月の初めに無残な死を遂げた直秀が、いろいろなものを背負わない都以外の遠くの国へ行きたいと願ったことは、今後のまひろと道長の人生の変貌を語っていく上で、とても象徴的でした。

 

では、今後、まひろと道長は、別れたまま、お互い別の人生を歩いていくのか? 

 

基本的に二人は別の人生は歩むものの、一方は摂政、太政大臣に、もう一方は源氏物語の作者として、御所にいるわけですから、お互いの噂は聞くことはあったでしょう。

 

しかし月夜の晩に結ばれた思い出がふたりに繰り返すことはない。しかし、あの晩がふたりの通暁する若い日の思い出があれば、その後の長い人生を生きていくことができるのではないでしょうか?

 

ドラマはまだ3月が終わったばかり。この3か月の放映がふたりの人生にどのように投影されていくのでしょうか?

 

それには、源氏物語の数多い女君の物語のように、「光る君へ」の女性俳優たちの活躍に期待したいところです。