第二回 メルセデス・ベンツ
エンブレムの由来
「スリー・ポインテッド・スター」は、陸・海・空を指し示していて、ゴットリーブ・ダイムラーの
「それぞれの領域でダイムラー製エンジンが活躍する」という願いを表現したもの。
・正式にはベンツがガソリン車第1号
・ダイムラーとベンツは顔を合わせていない
ガソリン自動車の最初の公式記録は、カール・ベンツが1886年1月29日に取得した特許。
ところが同じ年、ゴッドリーブ・ダイムラーもガソリン自動車を完成させていた。よってこの
二人が「自動車の発明者」とされている。
ガソリン自動車の開発には4サイクルのエンジンがカギだったが、最初に完成させたのは、
ダイムラーがいた「ガスモトーレン・ファブリーク・ドイツ」。熱力学で有名なオットーの会社で、
ダイムラーはそこの工場長だった。ちなみに、ダイムラーとともにダイムラー社を設立し、
のちに超高級車ブランドとして名を残すヴィルヘルム・マイバッハは、当時のダイムラーの
パートナーである。
世界で初めてガソリン自動車を作ったベンツとダイムラーは、当然、ライバル関係にあった。
当初は性能面でもデザイン面でもダイムラーが圧倒。レースでも華々しい活躍を続け、
輸出用ブランド名「メルセデス」は、世界のトップブランドへと成長していく。また、ダイムラーや
マイバッハに続く才能として、あのフェルディナント・ポルシェも関連会社で設計に携わっていた。
一方のベンツは、性能面こそダイムラーに水を空けられていたものの、世界初のディーゼル
エンジン車に代表されるように、最新技術の開発と既存技術の熟成で成果を上げていく。
そんな両社を結びつけたのは、第一次世界大戦で受けた大きな痛手だ。ベンツ側の
カール・ベンツが経営面、ダイムラー側のフェルディナント・ポルシェが技術面を担当し、
ふたりの「自動車の発明者」の会社は1926年、ダイムラー・ベンツ社としてひとつになる。
しかし、ゴッドリーブ・ダイムラーは1900年、すでにこの世を去っていた。ダイムラーとベンツ、
二人が顔を合わせていないのはちょっと残念な話だ。
おわり
次回はトヨタ(予定)