高校2年 7月


コンクールも間近。
週末も部活部活と忙しい日々を送っていた。

部活の顧問との折り合いが悪くなって
苦しむ日々も多かった。
正直辛い日の方が多かった。

授業もなんとなく集中できずに
定期テストもなんとなくこなした。


ある日の英語の授業が終わってから
新藤が私のところへやってきた。
手に持ってた資料を私の頭にバサっと乗せた。

私 「・・・!?何??」
新藤「お前、英語の強化合宿行ってみない?」
私 「は?何、それ強制でしょ?」
新藤「あぁ、まあな(笑)絶対いい経験になるぞ。」
私 「あー、考えてみます。」

と言って話をすませた。
真剣にもらった資料を眺めてみた。
それは毎年、県主催の合宿だった。
県内の高校生が色んな学校から参加する。

結局親友のめぐを道連れにすることにした。
めぐは何でも話が合うよき理解者。
本当にこ彼女に出会えてよかったと思う。

後日めぐと新藤のもとへ行き
「強化合宿行きます。」
という返事をした。
満足そうな笑みを浮かべていた。

そうこうしていると夏休みに突入。
コンクールは不本意な結果だったが
新藤は「よく頑張った」と声をかけてくれた。

私はその言葉に心が緩み、
我慢していた涙が溢れ出してきた。
新藤は泣き出したことに驚いていたが
黙って私の頭をぽんぽんとしてきた。
悔しい気持ちと、辛さを労ってくれたことに対する
ほっとした気持ちが自分の中で交錯して
涙が止まらなかった。
初めて、先生の前で泣いた。
自分をさらけ出した瞬間だった。

このときからすでに
恋心が芽生えていたのかもしれない。
高校2年 6月


梅雨のじめじめした空気。
毎日毎日くせ毛と闘いながら
憂鬱な気分で過ごしていた。

私は吹奏楽部に入部していた。

コンクールまで残り1ヶ月となっていながら
うちの学校は文武両道な学校だったので
週末に模試があるときもある。

正直、部活でいっぱいいっぱいだった私は
成績で伸び悩んでいた。

毎回英語はいい点取れていたのに
それさえも落ちていった。

模試があった数日後
新藤からダメ出しを喰らった。
怒られるのも無理ない。
と思って黙って聞いていた。

他の先生なら結論「勉強しろ。」
で終わる流れだったのに新藤は違った。

「どこが苦手なんだ?」
「部活忙しいのもわかる。」
「普段どういう勉強してる?」
「いつでも質問に来いよ!」

「お前は必ず伸びるから。頑張れ。」

違った。真剣に話を聞いてくれた。
他の生徒にも同じことを言ってたかもしれない。
でも、気にかけてくれてることが嬉しかった。

それからもっともっと
英語頑張ろうと思えたんだ。

 
高校2年 5月


2年生になるとすぐに進路希望調査。
私は国公立進学をずっと前から考えていた。

LHRで希望を書いていると、後ろに新藤が立っていた。
視線を感じた。
なぜなら、私が外国語学部という希望を
第3希望までばっちり書いていたから。

LHRが終わって新藤が私の方へ歩いてきた。

新藤「お前英語系に進みたいの?」
私 「まぁ。。あくまで希望ですけどね~。」
新藤「そうか。まぁ、なんでも相談しろな。」
私 「ども。」

こんなやりとりをした。
本当は嬉しかった。
今まで、わざわざ声かけてくれる先生いなかったから。

でも、私は感情表現が上手く出来なかった。
というかクールキャラとみんなから言われていた。
実際ぶりっことか大嫌いだし、
付き合う友人はみんなさばさばしている奴らだった。

先生達には基本的には愛想よくしていたが
なぜか新藤には素直に笑いかけられなかったし
無論、他の女子たちがきゃーきゃー言ってる時も
一人すまして仲間に入らない。
そんなキャラだった。
本当はみんなのように明るく話しかけたい
って気持ちもあった。
でも、他の子達と同じように見られたくない
っていう気持ちがあった。

こういう気持ちがある時点で、
私は新藤に対して何か意識をしていたのかも知れない。

でも、無理に近づこうとしなくても
近づく最大のチャンスが訪れたんだ。