仕事場の人達の妙な気遣いが辛い。
患者さんと話している時がまだ気が楽だった。
昼休みは車の中で弟の状態を確認し、1人で時間を過ごした。
仕事が終わればすぐに病院に。
弟と過ごせる残りの少ない時間を噛み締めた。
弟の移植は決まった。
手足は温かく、眠っているようなのに
Drが瞳孔を確認する際に見える弟の目はもう死んだ魚のように生きた心地のしない目であった。
あいつは復活する。そんな藁にすがりたい気持ちを吹き飛ばすかのように、もう奇跡という言葉も使わせてもらえない気持ちに僕をさせた。
なんで?
なんで弟が事故にあうと?
なんで弟だけが命が危ないと?
なんで弟はあそこの道を通ったん?
なんで周りの人はすぐに弟を助けてくれんの?
事故前に連絡してやればよかった。
ほんの数秒ちがえば事故になんて、、
事の後であれば人は何とでも言える。
でも感情は後悔。怒り。憎しみ。
現状を受け入れられず悲しみには至っていない。
医療機器のアラーム音はへばりつくように執拗に頭に焼き付いていた。
