年は暮れ開ける…などと言うタイトルでながながと書きつつ、気が付けば1月も中旬である。

全く薪の割れないまま、作成途中の薪割り機は壊れてしまった。

そもそもはと言えば、ある朝目覚めたときに閃いて、思い付きで始めたような工作である。
「もう、続きを作るの止めようか…」などと、また寝起きにボンヤリ考えていたが、よく考えたら年末に貰ってきた、ぶっとい薪の原木が2トン以上あるのだ。

アレを全て手で割ることを考えると、ゾッとする。

ネットで薪割り機を探せば、3万円せずに12トンの新品が売られているのは知っていた。

薪割り機作りの時間を賃労働し、新品を買う方がどう考えても経済的だけど、それでは自分がやろうとしている(薪を割るという)ジブンゴトへの関わりが薄くなってしまうようで、物足りないのである。

「12トンぐらいの能力のジャッキを、しっかりとした門型フレームに収めれば太い薪も割れるかな…」

ふとマブタの裏でその形状を想像してみた。

「あれー、なんだか見たことある形だなー…なんだ、ウチにあるわ、ソレ!」

と、いう事でガレージから安物12トンプレス(安物ばっかりだなあ…)を引っ張り出してきて、数日前に作成した矢を敷いてテスト。


おもむろに試したら、おもむろに薪が割れてしまった。


作成した矢も、しっかりシゴトした。



なんだこれでいいのか、カンタンじゃんか、出来たデキタ。と喜んでいたら、思い切り力が掛かっている状態で薪と矢が外れ、飛んできた。

どうしたんだろう、と思いながら何度かやり直してみたけれど、やり直す度に薪と矢の飛び出し率はどんどん高くなって行く。
どうやら、このプレス機のフレームの剛性が低すぎて、力が横へ逃げていってしまうようである。

そしてとうとう一番力が掛かる所のチャンネル材がヘタってしまった。

へしゃげてしまったチャンネル材。このプレス機は総じて材料が薄く、柔らかい印象である。



ちまちまとチャンネル材をプレスで直しても良いが、どうせまたへしゃげるのだ。
というより、そもそもこのプレスのフレームはあちこちぐにゃぐにゃ過ぎる。

新品一万円程度のシロモノに対してブツブツ言っていても仕方がないので手を動かすことにする。


ボルトをしっかり締めた状態で、この隙間である。改めて見てビックリである(というより忘れてた)。



これもボルトを締め付けた状態。
この製品に対してというより、過去の自分がこの事態を知りつつそのまま組み立て、使っていた揚句すっかり忘れてしまっていたことにハラが立つのである。




この隙間は、製作時に材料が溶接された時点で決まってしまうので、直すには一度切り離すしかないのだ。
安物の充電レシプロソーが活躍。



分離後、


隙間の出来ない寸法にして安物溶接機で溶接。
というわけで安物工具で安物工具を直すのであった。



12トンの力を受ける梁は、最初に作っていた薪割り機のフレームで使っていた角パイプをバラして使い、荷重が逃げても今後は薪と矢が飛んでこないよう薪割り専用治具を作成。




さらには調子に乗って、


買ってとて一本数百円のジャッキボルトを、限界まで使い切ったサンダーの砥石で作ってみたり、


油圧ジャッキのリリーフバルブのハンドルアタッチメントを、凹んで使えなくなったバイクのスネイルカムで作ってみたりして、
(取り付け角度をしっかり想定して作ると、とても回し易いハンドルになる)


昔、同級生が娘に買ってくれた三輪車の、


後輪を失敬し、色を塗って完成。



薪を割る様子の動画




出来たらホッとした。

2トン分の薪割りは、また今度やろっと。