秋という季節が好きだ。
秋は空気が動から静へと移り行く過程だ。
田舎のそれはさしずめ「夏と呼ばれている”祭り”の後である」と言えば、その空気の減衰具合が伝わるかもしれないが、それだけでは親切ではない。
木々達はこの季節にこそ咲くからだ。
ここ丹波の山々も、今まさに色また色をまとい短い開花の期を迎えている。
咲くとは花ではなく、もちろん葉っぱのこと。
多くの木々が、我々の気付かぬ間にひっそりと花を蓄え、気付かぬ間にそれを捨ててしまうことを考えると、秋の葉の自己主張は少々度が過ぎているようにも思えるが、そう感じさせないのは、秋の空気の静謐さ、夏より少し色づいた陽の色が平衡を司るからだろう。
そして、そんな山を駆けるのが好きだ。
稜線には木々を斜めにすりぬけた陽光達が、落葉で光る山肌を照らし、そこを駆ける火照ったバイクと我が身に向けて、やさしく冷えた空気がすり抜けて行く。

ふと立ち木に身を委ねると、待っていたかのように黄色い残り葉がはらはらと降ってくる。

そしてまた明るく、柔らかく山を包む落葉を駆ける。


…などと、何年か前の画像を引っ張りだして来ては山の色々を想ったりしていると、時系列順に並んだフォルダにはこんな画像も在った。
四十になろうとしている僕への宴である。

お誕生日会って何十年ぶりだったろう。
この宴を呼びかけてくれた貴方。
駆けつけてきてくれた貴方。
今更ながら、本当にありがとう。
嬉しかったです。
そしてその宴の流れで名古屋からやってきていたメタルおじさんと山へ出向くと、銀杏の樹が、ある筈の無いそこだけの日なたをつくって待っていてくれた。

そして今年の誕生日。
ある僕と同い年の人が亡くなった。
それを聞かされたとき、本人に直接出会った事がなかった自分にさえも、何か不意を突かれたような衝撃があった。
よく彼のことを聞かされていたからだろうか。
彼が焼いてくれたというCDを聴きながら山の上へ車を走らせると、所々にほんのり雪が積もっていて、月明かりの下においては葉をふるい落としてしまった木々の黒い影に相まって、まったくに静かで暗いモノトーンの世界であった。
こんな、色を亡くし寂しく暮れて行く様を目の当たりにしても、やはりこの季節に惹かれるのは、きっと僕がこの季節に生まれたからなのだと思う。
「秋、木々そ枯れぬ、と君は吐(つ)き、
秋、山ぞ咲きつ、と僕は謳(うた)う。」
なんて、カッコつけている間に、もう冬ですね。
秋は空気が動から静へと移り行く過程だ。
田舎のそれはさしずめ「夏と呼ばれている”祭り”の後である」と言えば、その空気の減衰具合が伝わるかもしれないが、それだけでは親切ではない。
木々達はこの季節にこそ咲くからだ。
ここ丹波の山々も、今まさに色また色をまとい短い開花の期を迎えている。
咲くとは花ではなく、もちろん葉っぱのこと。
多くの木々が、我々の気付かぬ間にひっそりと花を蓄え、気付かぬ間にそれを捨ててしまうことを考えると、秋の葉の自己主張は少々度が過ぎているようにも思えるが、そう感じさせないのは、秋の空気の静謐さ、夏より少し色づいた陽の色が平衡を司るからだろう。
そして、そんな山を駆けるのが好きだ。
稜線には木々を斜めにすりぬけた陽光達が、落葉で光る山肌を照らし、そこを駆ける火照ったバイクと我が身に向けて、やさしく冷えた空気がすり抜けて行く。

ふと立ち木に身を委ねると、待っていたかのように黄色い残り葉がはらはらと降ってくる。

そしてまた明るく、柔らかく山を包む落葉を駆ける。


…などと、何年か前の画像を引っ張りだして来ては山の色々を想ったりしていると、時系列順に並んだフォルダにはこんな画像も在った。
四十になろうとしている僕への宴である。

お誕生日会って何十年ぶりだったろう。
この宴を呼びかけてくれた貴方。
駆けつけてきてくれた貴方。
今更ながら、本当にありがとう。
嬉しかったです。
そしてその宴の流れで名古屋からやってきていたメタルおじさんと山へ出向くと、銀杏の樹が、ある筈の無いそこだけの日なたをつくって待っていてくれた。

そして今年の誕生日。
ある僕と同い年の人が亡くなった。
それを聞かされたとき、本人に直接出会った事がなかった自分にさえも、何か不意を突かれたような衝撃があった。
よく彼のことを聞かされていたからだろうか。
彼が焼いてくれたというCDを聴きながら山の上へ車を走らせると、所々にほんのり雪が積もっていて、月明かりの下においては葉をふるい落としてしまった木々の黒い影に相まって、まったくに静かで暗いモノトーンの世界であった。
こんな、色を亡くし寂しく暮れて行く様を目の当たりにしても、やはりこの季節に惹かれるのは、きっと僕がこの季節に生まれたからなのだと思う。
「秋、木々そ枯れぬ、と君は吐(つ)き、
秋、山ぞ咲きつ、と僕は謳(うた)う。」
なんて、カッコつけている間に、もう冬ですね。