連休の後半は紀伊半島へ行っていた。

それはそのひと月ほど前にオフロードバイク乗りのIKEちゃんが、
「オレも川下りしたい~」
「いついくの~」
「つれてって~」

と僕に言った事がきっかけで、
「じゃあGWは紀伊半島へ行こか」

と言うことになったのだけれど、その後の彼の行動力は凄まじく、あれよあれよと装備を買い込み新品のトラックチューブは試行錯誤によって川下り専用に改造された。


IKEちゃん苦心の作のフルーティーなチューブと、どれも新品タグ付きのまま川に持ち込まれた装備たち



野営地は紀伊半島の南端に近い場所にあって、遊び道具を満載したマンギョンボンゴ号でコーナーをイチマン回程攻めていかないと到達出来ないほどにアクセスが悪い。
だけど紀伊半島独特の岩盤基と豊富な水が造ったダイナミックな地形の中を走っていく事で、遊地へ向かっていると言う気持ちの高ぶりを催すんだな。

夜中、道の駅で一次会を終えて仮眠中のもーり夫妻と合流し、野営地へ。


数時間が経ってIKEちゃんが現れ、朝まで飲む。
数時間寝てから北山川へ。
目的は「三級チューブ取り扱い技術士講座”基礎編”」受講の為である。



夜になるとぐっと気温が下がり、薪ストーブで猪肉を焼き、自宅前で採集したタラの芽で天ぷらやおひたしをシロメシでいただくが、もーりさんの炊飯による土鍋メシがとにかく美味くてビールがなおざりになるほどだ。

酔った僕がギターとハモニカを出し、ひとみちゃんが三味線をはじいた。
真ん中にはこの空間の暖を作っている薪ストーブと、ろうそくと天ぷら灯明の明かり。
川に繋がる空には今夜もカジカガエルがヒロロロと高く鳴く声が響いている。


その夜、明るささえ足りないだだっ広い闇の河原で、僕は満たされてしまった。