暖かくなったり寒くなったり。
気候すら忙しい師走だ。
従って、最近洋服棚の奥から引っ張り出してきたパッチも、穿いたり脱いだりで忙しい。

週末はもーりさんに連れられて、慣れないトライアルバイクと共に山篭りしにいった。着いた場所は薪が豊富でひと気のない素敵な山。

暖かく優しい陽射しの下でのんびり昼飯後、ゆるゆると走り出すと、この山もまた落葉が終わった雑木の山独特の明るさと清々しさが漂う。

いつものゴコイチXLR号とて、基本的使用法を誤っているとは言え一応戦闘機だし、山に入れば自然とペースが上がり、気がつけば目一杯で走っている事も多いが、このトライアルというやつはスピードを競うものではないし、のんびりと流していれば良い、というのが気楽なんだネ。
とすっかり優雅なトレッキングモードにほのぼの浸っていると、

「ここで遊ぼう」

ともーりさんが言い出した。




なるほど。僕に山へ連れて来られた初心者はこういう恐怖を味わっているのか。
今までの己が罪を少しだけ反省しつつ、初心のトライを繰り返す。

同じ地形に飽きるとドンドン奥へ行った。
山は相当深く、聞けば様々トレールが数十キロとあるらしい。
しかしながら、道を熟知し且つライディング技術が伴わないと帰ってこれなくなる確立のほうが高い、ということなので、あまり奥には行かず分かる範囲をうろうろ。

それでもタマに道に迷った。

トラ車に乗ったもーりさんはまさに水を得た魚というか、バ○ア○ラをゲットしたおじさんのようである。
前回のKTMは一体何だったのだ。





チョーシこいて何かヤラかさないかと期待したが、ヤラかすのは僕とその乗り方のまるでわからないモンテッサの凸凹コンビばかりであった。

それでももーりさんに引っ張られてセクションの真似事なんかをしていると、「こんちくしょうコノヤロー!」と、思い切った操作、アクションが出来るようになったおかげで、最初は上れなかった斜面もなんとか上ることが出来た。




2時間程走ってベースに戻り宴会準備。
もーりさんが”冬宴の友”を持参して来てくれたので先ずそいつを組み立て施工し、始動する。




程なくして陽は沈み闇につつまれた。
車からLEDランプを取り出し、点けると急に野趣が引いていったので消し、代わりにもーりさんがロウソクを出してきて煙突三脚の上に据える。

もーりさんはこの灯りで世界中の夜を過ごしてきた(テント燃やしたけど)。




月が出てきて明かりに加勢する。

LEDと同じ白い光なのに何故こんなに安らぐのだろう。




気温はどんどん下がってビールはもはやいつでも飲み頃である。

”冬宴の友”は我々のココロとカラダをほんのり温める所かどんどん加熱を続け、酒を飲み続けうたた寝をし、また飲んで気が付けば霜が降り窓ガラスは凍った。





結局、谷の端から月が現れ、沈んで行くまで宴をし、寝袋に入った。


朝、目が覚めたのはさほど早い時間ではなかったがまだ辺りは凍っている。

寝しなに車へ石油ストーブを持って入ったもーりさんの車から物音が聞こえたので安心して立ちションしてまた寝る。


再び目が覚めると、我らがベースにも陽が射そうとしていた。
空は青く、実に平和な朝であった。




おだやかな一日が始まると思っていた。