背後が気になって仕方が無かった。

車を停めた場所はSA入って直ぐの場所だったから、ハイテンションでやって来たメタルおじさんが、バイクで再出発の準備をする僕の背中を見つけ、そのまま車でぐいぐい押してくる、なんて事も想像された。

会えた喜びを過剰なアクションで表現する、彼の濃い喜怒哀楽がこういう状況ではとても熱く嬉しく感じる。
関係無いが、半生を超える長きに渡って呼び続けられている僕のあだ名は、彼が3秒のインスピレーションで付けたものである。

メタルおじさんとは、20年と言う付き合いの中で、同じ淵に飲まれギリギリの脱出をしたこともあった(ボンバーズ「板取川突撃(墜落)記録」参照)。

高原の湖に伸びる桟橋の上で、将来について深く決意を述べ合ったこともあった。

海のキャンプで偶然遭遇した海ボタルの光の衣をまとって、夜の海を二人きりで飽くことなく泳ぎまわったこともあった。

濃密な夏の夜のビヤガーデンの帰り道、同じ街路樹の下で二人して濃密なゲロしてへばったこともあった。


そんなメタルおじさんの車は予想より遅くやってきた。
何事も無く横のレーンに車を停めるなり出てきたが、動きにキレが無い(いつもだと子犬が弾けるように駆けてくる)。

電話の向こうでダイヤモンドのように輝いてた目は、油玉(油の浮いたようなビー玉)のようになって、しかも半分閉じかかっている。

そして、

「電話で行くって言っちゃたから来たけどさ、…遠いよ。」

とメタルおじさんはタメイキ交じりで僕に言ったのだった。



続けるべきか…。



テンション高い時のメタルおじさん。10キロ痩せて、跳ぶわ走るわ。
最近、こんなリアクションの出来る正しい子供が少なくなりました。