依頼の仕事が無いので気が向いたときに起きて、眠くなったら寝るという日々だ。
そんな折にオフロードバイク仲間達が集まってウチで週末宴会をやる事になった。

土曜の昼前に大阪からしっぽのダンナとおまけっ子ちゃん夫妻が現れ、
やあやあの挨拶と同時にコールマンの車輪付きでかクーラーボックスもろとも家の前のスロープをころころと上がってきた。

すかさず各自にキリンラガーが配られ
「ぱしゅ、。かんぱ~い」
の号令で特別な週末が始まった。

清々しく夏らしい空気が流れる中にしっぽのダンナが積んできたワンタッチテントを建ててくれたので、その下で冷蔵庫にあった肉なんぞを焼いてフライングスタート。


※絵はイメージです


やがて園部からだいまおーが軽トラに乗って
「あ~、途中でうどん食いすぎた、ハラぱんぱんや。げぷぅ!」
といつものごとく騒々しく現れ、一緒に大阪からニシデさんがアドレスV125の新車に乗って登場した。

枚方からウーさんがまいどまいどと現れると気温はぐっと上昇し、元気のいい御仁達は近所の山へ走りに出掛けてしまった。

別に元気が無いわけではないが、ニシデ氏と僕はテントの下でゆっくりチューハイなんぞ傾けながらノンビリと過ごし、あまりに気持ちがいいのでヒルネしてしまった。

バリバリぶおーん、と山行き部隊が帰還すると夜の本気宴会への準備が始まった。

ワンタッチテントには照明が設置され、薪狩り部隊、買出し部隊の二部隊体制で、各々てきぱきと準備が進められた。
…という事になっているが、実のところ買出し部隊のだいまおーとおまけっこちゃんと僕は、肉屋さんのベンチで自分達のおやつ用コロッケが揚がるのをぼけーと待ち、
「あちちあちあち、コロッケおいしいな、ビールほしいな」
とコロッケばりばり言わせながらの買出しドライブであった。

宴会場(自宅)に戻るとしっぽのダンナ、ニシデさん、ウーさんによる薪の山が築かれており、薪ボイラー(ステンレス浴槽)の下にはちゃんと焚き付けもセットされている。

よーし僕も、と戦闘服(布ツナギ)に着替えてみたものの、大した作業は残っておらず、自走式湯船(だいまおーの軽トラ)をセットしたぐらいでやることが終わってしまった。

陽が沈みかけてきた所で薪ボイラーに火が入り、最近作った薪コンロで焼肉用の炭火を興し、本日2度目のかんぱい~の儀が執り行われると本日本気の宴が始まった。

テントの下は薪ボイラーの燃焼煙と鉄板上のホルモンが起こす動物性揮発油脂煙でエライ事になっていったが、ケムリ対策云々の前に脂肪率90%高純度絶品テッチャンの奪い合いに皆忙しく、おなかの減っていただいまおーは、
「おいニシデぇ!このテッチャンめちゃめちゃウマイやんけェ!!もっと焼ケぇ、もっと焼かんかコラぁ!!」
とただのガラワルおっちゃんと化した。

ホルモンミックスが食い尽くされた辺りで皆の食欲も軽く満たされ、人一倍喰らいついていただいまおーは色んな事に満足したのか、
「ふぅ~。…ミンナありがと」
と、言われたミンナが驚愕するような台詞を吐いたかと思うと、そのままコドモのように寝てしまった。

まだ眠たくならない若者達はエッサホイサと薪ボイラーと軽トラ露天風呂のバケツリレーに奔走し、程なくして軽トラ荷台の水は
「おー、かなりいいんじゃない、ていうかアチっ、」
というような温度になった。

軽トラ露天風呂で散々温まったオトコ連中が、辺りを自由奔放にフル○ン姿でウロつき始めた頃、タクヤとチエちゃんがステップワゴンに乗って現れ、そのヘッドライトはあまりさらけ出すにふさわしくないモノを明るく照らし、宴会場も強く降って来た雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズさらに盛り上がった。

しぶとく風呂に入る者、飲み続ける者、笑い続ける者、いつの間にか寝てしまう者、勝手気ままにケムリの宴は続いた。


翌朝も各自勝手気ままに起きて勝手なことをやっていたが、
「ハラ減った~」
の声が増えてきたところで、薪コンロを使ってしっぽのダンナとタクヤが中華鍋の焼きソバを作ってくれた。



好天の下のテント宴も昼頃にはおひらきとなり、一人また一人と帰っていった。

皆が去っていった昼過ぎ、ちょっとだけ片付けをした僕は本を枕になんとなくウタタ寝をし、気がつけばまた夜が来ていた。昨夜とは打って変わって虫と蛙の音だけが聞こえる闇の中、昨夜の大酒バカ騒ぎをぼんやり思い出して、また眠った。

夢は見なかった。


※絵はイメージです