藤圭子が亡くなった。

今ではすっかり宇多田ヒカルの母としての方が

知られている元歌手的な存在だったように思う。

宇多田ヒカルはもちろん天才的な才能を持っているの

だろうが、ワタシに撮って藤圭子ももの凄く印象に

残っている歌手だと思う。

レコードもテープも持っていないが、テレビで幼少期に

見た藤圭子の姿や歌はかなり濃い存在だと何十年前の

印象ながら・・・そう「濃く」刻まれている。

そう考えれば昭和40、50年代の歌手は「濃い」の

だとつくづく思う。

その頃自分よりかなり年上だと認識していた歌手の方々

より現在の自分の年齢が上になった今でさえ、あんな

濃い人生を生きているのだろうか、我々は。

ヒトのことを「軽い、薄っぺらい」と評価しながら

自分はどんな重み、濃さを身につけてこれたのだろう。


沢木耕太郎は深夜特急以来のファンで多くの著作を持って

いる。

なかなかの実験作であるこの作品は、何十年も出版されずに

いたが藤圭子の今回のことで日の目をみることになった。


藤圭子を今さらながら凄い歌手・・・・いや女性だと

思わせてくれた。

藤圭子の歌をもう一度聞き直そうと思わせた。


昭和歌謡はやはり光と影のコントラストが濃くて

平成ののっぺりとして曖昧なこの時代とは全く違うもの

なのだと再認識させられたのである。

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