なぜか満州ものが好きである。

満州ものというカテゴリーが存在するのかは知らないが、

この時代に存在した満州という国に惹かれるのだ。

大杉事件に関与した、この甘粕という人物はダークな

イメージがつきまとっているが、果たして本当の悪なのか。

いろんな意味でこの時代(大正~昭和初期)は面白い。

面白いだけですまされない負の部分もあるが、だからと

いって全てを否定すべきではないと思う。

歴史は消し去れるものではないし、我々が知っている(習った)

歴史が全てでもない。


佐野眞一は癖があるし、断定的過ぎる部分もあるがやはり

面白い作家だ。

ただこの人は人間的にはあまり面白みのある人かどうかは

薄っぺらい読者の僕には判断できないのである。



甘粕正彦 乱心の曠野 (新潮文庫)/新潮社

¥820
Amazon.co.jp