おはようございます。



長野県の食肉加工業者で馬肉の偽装事件が起きましたね。



加工用食肉を 「生食用」 として出していたとか。



悪質なのは、この業者は以前輸入したアルゼンチン産の馬肉から大腸菌O-103が検出され行政から指導が入ったものを更にまた仕入れ、最初から「加工用」となっていたそれを「生食用」として出していたこと。



なぜ “アルゼンチン産" のものを使ったか?


馬肉は年々消費量が下がってきており、市場環境的にはかなり厳しい状況にあったそうです。


そこで、馬肉を多く扱うこの業者の考え方が 


「価格を下げて、“安い"と感じてもらい、

 食べてもらう」


という発想に至りました。


アルゼンチン産のものは日本産の約1/4程度の価格で仕入れられるそうで、これにより “安売り" が実現できた、ということです。



「アルゼンチン産のものを扱う」 までは、正直、何の問題も無かったと言えます。


が、「O-103が検出された」 というここで一つ大きな問題になってきますよね。


で、さらに 「問題のあるアルゼンチン産馬肉を、その後も引き続き扱い」 、また 「本来加工用であるそれを “生食用" として販売した」 という、この辺でもう問題の上塗りですよね。



人を死に至らしめる力を持つO-103ということだけに、事は深刻です。



当ブログでは、度々 「ムリな安売りは世の中を不幸にする」 とお伝えして来ましたが、この事件はまさにムリな安売り志向が問題の根源になっています。



「馬肉の消費量が下がってきたから価格を下げてでも買ってもらう」 という、この発想がズレていますよね。



何度もお伝えしている通り、行き交う情報量が大変なスピードで増えている現代社会の中で、消費者が入手する情報量も比例して増えており、また、そんな中に居ると 「情報の選択眼」 も肥えてきます。


そういう消費者を相手にして、ただ 「安いよ」 と “安売り感" を訴求したところで、そう簡単に響くはずもありません。


一部では 「あ、安いの! 嬉しいねー」 という消費者が居るとは思いますが、逆に 「何かウラがある」  と思う消費者も多々出てくる事も事実です。


「安くなっている理由」 を示すと安心感も出てくるでしょうが、同じ “理由" を示すなら 「それなりの価格の“理由"」 を提示して消費者の納得感を引き出して買ってもらう方が、店としても高い物が売れるし、消費者は商品の価値に満足を得られるし、と双方に得があります。



本当に正直な企業努力で “安売り" を実現されている業者さんも沢山あります。


そういう業者さんには何の問題も無いのですが、こういう事件が起きるとそこにまでとばっちりが行ってしまいます。



そういった意味でも、本当に、こういう “ムチャな安売り志向" は社会に迷惑な話ですよね。



これは、この一地方の業者の話にとどまらず、残念ながら大手企業の一部にも当てはまる話だといわれています。



周囲で価格競争を仕掛けてくる業者があっても、「商品の価値」 をしっかり伝え、「“体験"を売る」などの訴求方法にも工夫を加え、逆にその安売り業者との差別化を鮮明にする方が、一定の利益確保ができ、また、納得する顧客をしっかり確保できる、という意味で得策です。



読者のあなたには、 「安くすれば売れる」 という発想をくれぐれもお持ちにならない事をおすすめします。



それでは、今日はこの辺で。



あなたにとって、良い一日を!!!





赤ネクタイの販促ツールドクター・NAKA-Gの  「お金をかけずに売上げアップを狙うマーケティング日誌」
       意味のない安売りに消費者は魅力を感じず、

       却って不安を感じる場合すらある。