小説:みならいカウンセラー三休の不思議な冒険 2
『そうじゃ。氣が乱れるんじゃ。』
「え~、氣が乱れるんですかあ、そいつは大変だあ、って、氣ってなんです?」
『なんじゃ、三休は氣を知らんのか。まあよい。説明してしんぜよう。』
「はい、お願いします」
『氣とはのう、体の中をめぐっている目に見えないエネルギーじゃ。』
「ほう、目に見えないエネルギーですか。ほんとにそんなのあるんですか?賀藤先生、いいかげんなこと言ってんじゃないですかあ?」
『失礼なやつじゃのう!まあよい。眼に見えんのじゃから、西洋医学では長い間無視されてきた。しかし中国で発達した東洋医学では昔から良く知られている概念じゃぞ。』
「はあ、東洋医学ですか。」
『東洋医学では氣、血、水にとどこおりがなく、スムーズに流れていることが健康のしるしといわれておる。このうち、血と水は目に見えるので西洋医学でも研究されてきた。ところが氣は眼に見えん。血が血管を流れ、水がリンパ管を流れるように、氣も経絡を流れておるのじゃが、氣も経絡も目に見えん。それで氣も経絡も西洋医学ではずっと無視されてきたんじゃ。』
「西洋医学で無視されてきたんだったら、そんなの知らなくてもいいんじゃないですか?」
『そうはいかん。むしろ氣が一番大切だともいえる。』
「一番大切?」
『そうじゃ。氣が乱れると血が乱れ、そして水が乱れるんじゃ。氣の乱れが大本の原因なんじゃぞ!』
「ほー」
『血や水が乱れると西洋医学でも病気になったとわかる。ところがのう、氣が乱れた段階で病院に行っても検査に引っかからんのじゃ、そうすると医者はこういうんじゃ。<それは気のせいですよ>、とな』
「ははあ、なるほど、気のせいですか。」
『そうなんじゃ。確かに氣のせいなんじゃな。ところが検査には引っかからんもんじゃから診断はつかん。気のせいだ、などとなだめられて小麦粉か安定剤かなんか出されて様子を見てみましょうなどとごまかされるんじゃ。』
「なるほどねえ」
『東洋医学ではこの段階を未病(みびょう)というておる。未だ病気ではない、という意味じゃな。この段階で氣の乱れを正しておけば病気にならんですむというわけじゃ。』
「なるほど~。あれ、氣と残業とどんな関係があるんでしたっけ?」
『ふむ。氣が乱れる一番大きな原因が気の乱れなんじゃ。』
「はあ?さっぱりわかりませんよ?何言ってんですか、賀藤先生?」
第2回はここまで