「Open SESAME 」
わたしがまだずいぶんと
手がつけられないほどに
怒っていたころのはなし
まいあさまいあさ
正しくは
夜中から朝方にかけての暇なときに
壁に
落書きをし続けた
朝一番にやってくる
掃除の女の人が
だんだん日に日に
嫌気がさして怒っている姿を
見聞きするのを
ただ面白がっていた
いいかげんにしなさい
隠してる筆記具を出しなさい
毎日一所懸命消してくれてるが
私の傷はそんなことでは消えない
ようをたしたものも
じぶんでは流せない空間は
なんの罪を犯した果てに
何泊もしなくちゃいけなくなった
というのかと不思議に思ってた
ただ隣人の理解が追いついてないだけ
ということではなかったのか
そんなことも
もうどうでもよくなった
時が変わり変化する
移り変わりが激しすぎて、
いま私はその場所があったところに
自由に
出入りができ
早朝から
買い忘れの納豆を買うことをしている。
